久呂田まさみ「執念の子」(190円)



「御家人の三四郎は度々人に因縁をつけ、金をゆするために「からみの三四郎」と呼ばれていた。
 ただ、不思議なことに、子供のことは大好きで、特に幼児には非常に優しかった。
 ある時、日頃の行いが祟って金欠になり、生首坂で辻斬りをしようと考える。
 しかし、うまくいかず、帰ろうとした時、赤ん坊を入れた行李を発見する。
 赤ん坊は恐ろしく醜い容貌であったが、中には手紙と大判が入っており、手紙にはこの子を育ててくれれば、三日に一枚ずつ大判を届けると書かれてあった。
 三四郎は赤ん坊を倉の地下室で育てると、手紙に書かれた通りに、三日ごとに金が屋敷に投げ込まれる。
 そんなある日、彼のもとに住吉家の姫との縁談が持ちかけられる。
 住吉家は城下一の財産家で、姫は出戻りではあったものの、とても美しく、持参金は一千両。
 こんなチャンスを逃すわけにいかず、三四郎は赤ん坊を倉で斬殺し、死体を捨てに行かせた爺やも殺して、古井戸に遺棄する。
 その後、彼は姫と結婚するのだが…」

 粗筋を読むだけでわかると思いますが、いろいろとヒドい内容です。
 とりあえず、気になったのは「化物」のような赤ん坊の描写が中途半端なことで、作者のやる気のなさをひしひしと感じさせます。
 また、赤ん坊の母親の正体が最後に明かされますが、なんか納得できないなあ…。(大抵、そういう場合は侍女や婆やに預けるもんだろ!!)
 そんな感じで、テキト〜な作品ではありますが、何も考えずにサッと読み飛ばせるので、貸本マンガとしては良いのかもしれません。

・備考
 カバー貼りつき、また、痛みや補修、裂けあり。ビニールカバー剥がし痕あり。糸綴じあり。前後の見返しに紙テープにて補強。読み癖が強く、汚れ・シミ、痛み・切れ、多々あり。後ろの遊び紙に書き込みあり。

2025年4月20日 ページ作成・執筆

セントラル文庫・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る