いなば哲「蜘蛛婆」(170円)

「官軍の包囲から脱出した新選組の三人、石本栄二郎、辻広鬼、宮下鉄斉。
 昼日中でも暗い山中、日が暮れる前に、偶然に発見した人家には、気味の悪い老婆と若い娘、お千代が住んでいた。
 三人は一夜の宿を乞い、そこで一晩を過ごすことになるが、お千代から一刻も早く立ち去るように密かに忠告される。
 早く厄介払いしたいためと三人は気にもかけないでいると、辻が寝ている間に蜘蛛にかまれ、全身爛れてしまう。
 辻は悶死し、老婆はこれはこの地方特有の「蜘蛛くずれ」という奇病と説明する。
 老婆とお千代は辻を埋葬するために死体を外に運び出すが、二人が辻の死体を放り込んだのは、毒蜘蛛が無数に住む穴であった。
 実は、老婆は蜘蛛を主食にしており、その蜘蛛を育てるために、人間を蜘蛛のエサにしていたのであった。
 老婆の魔の手が残りの二人にも迫る…」

・備考
 ビニールカバー貼りつき、また、ビニールカバーに紙らしきものが貼りつき。後ろの遊び紙、シミひどし。

2016年2月19・20日 ページ作成・執筆

セントラル文庫・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る