いなば哲「次郎丸だけが知っている」(170円)

・「次郎丸だけが知っている」
「塾の帰り、昼なお暗い後追坂で、次郎丸は悪魔と名乗る老人と出会う。
 老人は悪魔であることを証明するために、後追坂を通りがかった二人の侍、府名と金田のうち、府名に憑りつく。
 すると、府名は突如性格が変わり、些細なことで金田を斬り殺してしまう。
 悪魔が抜けると、府名は正気を取り戻すが、もはや後の祭り。
 次郎丸が見ていることに気付かず、死体を竹藪に埋めて、府名は立ち去るのであった。
 これで老人が悪魔であることがはっきりしたが、老人は次郎丸の目にしか映らず、このことを他人に話せば、次郎丸に憑りつくと脅して、悪魔は立ち去る。
 数日後、金田の妹と友人が、行方不明の金田を探して、後追坂の竹藪を調べに入る。
 ことがばれると考えた府名にまたもや悪魔が憑りつくのを、次郎丸は目撃する。
 竹藪の中、府名が金田の友人に因縁をつけ、お互いが刀を抜いた時、次郎丸はその場に飛び出す。
 そして、悪魔の警告を無視して、次郎丸は府名に悪魔が憑りついていることを訴えるのだが…」

・「死の声」
「次郎丸に起こった、不思議な変化。
 それは、口にした言葉が現実になるというものであった。
 このことにより他人に災難をもたらしてしまい、次郎丸は他人の不幸になるようなことは決して言わぬよう誓う。
 しかし、そう誓った直後に、次郎丸の屋敷に脱獄囚が逃げ込む。
 脱獄囚は次郎丸を人質に取り、屋敷に居座る。
 次郎丸と家族の運命は…?」

・備考
 ビニールカバー貼りつき。後ろの遊び紙に貸出票貼りつき。

2016年3月4日 ページ作成・執筆

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