木ノ花さくや「ダムド・ファイル」(作画協力・すねやかずみ/2008年3月20日初版第一刷発行)

・「テレビ局 中区」(原作:万田邦敏/「あなたが体験した怖い話」2004年8月号)
「1989年5月、名古屋市中区テレビ局。
 新人ディレクターの長島は、プロデューサーからある番組企画を任される。
 それは、テレビ局内の噂を扱った心霊ドラマの企画であった。
 ADの成田と共に、手始めに、アナウンサー部長の浦井にインタビューをする。
 浦井が話したのは、二十年位前、アナウンサー部の部長が四階から転落死した事件であった。
 原因は不明で、墜落した場所には衝撃でくぼみができ、何度塞いでも、またくぼんでしまうという。
 そのくぼみを隠すための自動販売機を動かしてみると、噂通りにくぼみがあった。
 しかも、自動販売機の裏にお札が貼ってある。
 お札は局内の様々な場所に貼ってあり、長島達は、今はもう使われていない地下浴室に取材に行く。
 ドアにお札が貼られたトイレがあり、長島は、プロデューサーに言われ、その封印を破り、中を覗く。
 そこは何もなく、床の一部分がコンクリートで固められていた。
 その後、長島達の周辺では奇怪な出来事が続発。
 成田がテレビ局のある場所について調べると、戦国時代に城があったのだが…」

・「テレビ局 中区(第二章)」(原作:万田邦敏/「あなたが体験した怖い話」2005年2月号)
「14年後の2003年、新社屋が落成。
 ADの宮田浩司は、旧社屋の倉庫で、お札で封印されている段ボールを見つける。
 中には、ハンディカメラが入っており、宮田はアパートにカメラを持って帰る。
 そのカメラは、昔、お蔵入りになった心霊ドラマの取材テープが入っているらしく、念のため、霊能力のある浅野を呼ぶ。
 二人でそのテープを観ると、風呂場が映った直後にストームになり、女性の悲鳴が聞こえる。
 その夜、宮田は人の気配で目覚めると、金縛りにあい、口から血を流した子供が彼の顔を覗き込んでいた。
 翌日、彼は、映像の風呂場が旧社屋の地下浴室だと知るのだが…。
 一方、浅野は宮田からカメラをもらい、もう一度、チェックする。
 そこに映っていたものとは…?
 そして、二人の運命は…?」

・「テレビ局 中区(第三章)」(原作:万田邦敏/「あなたが体験した怖い話」2006年1月号)
「もとADとしてテレビ局で働き、今はホラー作家として成功している四宮秀俊。
 彼がテレビ番組に出演した帰り、杉田プロデューサーに声をかけられる。
 杉田は四宮の上司であったが、妻の死後、落目となり、旧社屋で一人過ごしていた。
 彼は四宮に、視聴率を取るため、相談にのってくれるよう頼む。
 彼が今、目を付けているのは「残留思念」であり、四宮にある映像を見せる。
 その映像は地下のトイレで、床にあいた穴には水がたまっていた。
 この水は「形を 体を求めて うめきもがいている」という。
 杉田がこの水を使ってした実験とは…?
 そして、それがもたらす恐ろしい結果とは…?」

・「招待状 天白区」(原作:武内純希/「あなたが体験した怖い話」2005年12月号)
「クリスマス・イブ。
 四人の男女(手塚、上原、星山、加奈子)が、パルティールというレストランに集まる。
 招待状の差出人は美鈴で、彼女を含めた五人は高校時代からの付き合いで、社会人になってからも、イブにはこのレストランで顔を合わせることを決めていた。
 しかし、美鈴は昨年の12月29日、深夜に交通事故を起こして、亡くなる。
 更に、彼女が事故を起こした道は見晴らしのいいカーブで、事故に不審な点が多い。
 皆が彼女のことを考え、疑心暗鬼に落ち込む中、マスターが美鈴本人に聞いてみたらどうかと提案する。
 四人は彼女が事故を起こした現場に行ってみるのだが…」

・「学校 熱田区」(原作:谷村典子/「あなたが体験した怖い話」2005年6月号)
「石原は出身中学の臨時教師に就職する。
 その際、教頭から「生徒のいざこざ」には首を突っ込まないよう、くれぐれも念を押される。
 彼が担当するのは、三年A組。
 女子生徒によると、このクラスは代用教員がすぐに行方不明になるらしい。
 すぐに教師が面倒臭くなった彼がトイレで休んでいると、外から、誰かがいじめられているらしい物音が聞こえる。
 静かになった後、彼がトイレを出ると、個室に傷だらけの生徒が座り込んでいた。
 彼の中学生時代のイジメられっ子をその生徒とオーバーラップしてしまい、彼は生徒を無視してトイレを出る。
 その夜、女子生徒から彼にメールが来る。
 添付されているのは、彼の写真。
 その写真の顔が曲がれば、彼は呪われていると言うのだが…」

・「ダムド・ファイル」タイトル・リスト

 「ダムド・ファイル」を全く観たことがありませんので、コミカライズに関してちゃんとした評価はできません。
 それを断った上で、感想を述べると、「テレビ局 中区(第三章)」はかなりハジケ飛んでいて、ビックリでした。
 それと、「学校 熱海区」では山形の「マット殺人」(マット死ではなく、あれは殺人!!)を彷彿させる描写があり、ドラマではどうなのかが気になりました。

2022年3月12日 ページ作成・執筆

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