つのだじろう「オカルトっ…つのだ」(2002年8月23日初版発行)
収録作品
・「うしろの百太郎」(どのエピソードかは未チェック)
「夏、夜の海で、後一太郎が行方不明になる。
必死の捜索も空しく、彼は見つからなかったが、ある日、海岸に彼の遺体が打ち上げられる。
遺体はほとんど損傷がなく、死因は溺死でなく、低体温症による心臓麻痺であった。
父親は遺体を火葬にしようとするが、突如、霊柩車の調子が悪くなり、目の前に、一太郎の守護霊、百太郎が現れる。
百太郎は両手を大きく横に広げ、火葬場に行くなと告げているようであった。
母親の田舎では大抵土葬だというので、父親は一太郎を実家の墓に土葬にするのだが…」
・「亡霊学級」(1973年「週刊少年チャンピオン」)
「第二話 青虫」
ある中学校の二年A組の青野武志。
彼はその風貌や態度から「青虫」というあだ名で呼ばれ、いじめを受けていた。
いじめっ子達は、青野が弁当を隠して食べることに目を付け、弁当を見せるよう迫る。
青野は、小学校から彼をいじめて来た山田にだけは見せると言い、二人は校舎の外に行く。
そこで、山田は弁当を一口食べさせられるが、それは本物の青虫であった。
しかも、青野の弁当箱には青虫がぎっちり詰められていた。
青野はその理由を山田に話すのだが…。
「第三話 水がしたたる」
ある中学校で水野弘子という女教師が行方不明となる。
彼女は教育熱心な教師で、学校に連絡もせずに休むことなど考えられない。
また、おかしなことに、行方不明になった当日、彼女は担任のクラスで理科の授業をする。
彼女は終業のベルと共に姿を消し、立っていた黒板の前辺りは水で濡れていた。
それから五日後、プールで彼女の水死体が発見される。
警察の調べによると、六日前、近所の小学生がプールに忍び込み、転落。
偶然残業していた水野先生は子供を助けたものの、こむら返りを起こし、溺れてしまったのであった。
学校としては水死体の浮かんだプールをそのまま使い続けるわけにはいかず、プールを改装。
新プール落成記念に校内水泳大会を開催するのだが…。
・「ドゥエンデ」(「週刊明星」1977年〜1978年連載「ときめきの墓」シリーズより)
「ロシオ・栗林は、日本のフラメンコの踊り手としては若手の中で有望株であった。
彼女は本場スペインでフラメンコの修行をするが、自分には真似できない「血」があると痛感する。
スペイン人によると、「ドゥエンデ」こそフラメンコの根本の理念で、「芸と心が一体となり踊り手自身が芸そのものになったとき」「ドゥエンデがのりうつる」という。
ドゥエンデはスペインでは有名な妖怪で、フラメンコの世界では「大地の魂」とされていた。
深夜パーティからの帰り、栗林が「ドゥエンデののり移った踊り…一生の一度でいいから踊ってみたい」と願うと、夜明け前に、奇妙な行列を目にする。
その行列は皆、白いマントを着て、手に蝋燭と鐘を持ち、陰気な歌を歌っていた。
栗林はその行列について行き、以来、彼女の踊りは見違えるほど、上達する。
その行列の正体とは…?」
2022年2月8・9日 ページ作成・執筆