呪みちる「アシッド・アタック 溶ける女/ベルゴンゾウリ館の銀のノズル」(2015年頃発行)

 収録作品

・「アシッド・アタック 溶ける女」(2010年「電子書籍版ホラーエクスタシー」(松文館)掲載)
「ハリウッド。
 高名なメイキャッパー、ジョージ・スタントンは、急死したSFXアーティスト、リック・ボーンのプライベート・フィルム「溶ける女」にすっかり憑りつかれる。
 「溶ける女」は、女性の身体が薬品に溶かされていく様をリアルに描いたものであった。
 ある夜、酒場で、彼は、謎の老人から、そのフィルムで使った溶解液の原液を手に入れるのだが…」

・「ベルゴンゾウリ館の銀のノズル」(2002年「恐怖の快楽」(ぶんか社)掲載)
「目を覚ますと、幸子と伸田光男は、下着姿で大理石の床と壁の部屋に閉じ込められていた。
 二人は、この部屋が「ベルゴンゾウリ館の処刑室」であることに気付く。
 この処刑室には、壁が犠牲者に徐々に迫って来て、押し潰した後、圧縮された身体を天井の銀のノズルから勢いよく噴出する仕掛けが施されていた。
 二人は部屋から脱出する方法を探るのだが…」

 二作とも素晴らしい出来映えですが、それ以上に、巻末の「あとがき」が熱い!!
 「圧縮」「溶解」共に、呪みちる先生にとって魅惑的なテーマのようで、特に、「溶解」には大のこだわりがあるとのことです。
 その「溶解・愛」は文章からもむんむん伝わってきて、呪みちる先生のディープさを垣間見る思いであります。

 ちなみに、私は「ベルゴンゾウリ館の銀のノズル」を読んで、小学生の頃に観た時代劇で「針のたくさんついた天井が下りてきて、人が死ぬシーン」(詳細不明)と、「怪人ドクター・ファイブスの復活」で「調査隊の青年が、縮む棺のようなもので、胴体を圧縮されるシーン」を思い出して、気分は今現在、非常にダウナーです…。

2018年11月5日 ページ作成・執筆

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