緑の五寸釘・編集「恐怖漫画短編集 BADEND」(2019年9月10日発行)

 収録作品

・崇山祟「新米奥様奮闘記」(オマケ漫画)

・有田景「ハヤリヤマイ」(「サスペンス&ホラー」1998年5月号)
「恋というものに拒否反応を示す女子高生、マリコ。
 冬のある日、学校に風邪が蔓延する。
 それは風邪に似た症状であったが、恋愛感情が高まると身体が溶け出す「恋患い」であった…」

・奥田りょう「5月12日 月曜日」(「恐怖の館」1997年6月号)
「同じ日を繰り返す男。
 翌日は結婚式なのにと懊悩するのだが…」

・奥田りょう「見てるだけ」(「恐怖の館」1997年10月号)
「交通事故。山中での自殺。嫉妬による殺人、etc,etc…。
 その片隅に潜むものとは…?」

・白井裕子「ヤーボ」(「ミステリーボニータ」2003年3月1日増刊号恐怖箱)
「冬休み前の連休、三人の少年(翼、正一、景太)は探検しているうちに、山中に迷い込んでしまう。
 そんな彼らの前に現れたのは、赤い帽子に大きな身体の山の神様、ヤーボであった。
 三人はヤーボの家に案内され、そこで一夜を過ごすのだが…」

・猫黒ノミコ「狂気水路」(「週刊少年チャンピオン」2014年32号)
「みるくが気が付くと、そこは下水道であった。
 記憶が定かでないが、彼女はマンホールに転落したらしい。
 そのマンホールは団地の隅っこにあり、みるくの秘密の場所であった。
 足を挫き、彼女は助けを求めて叫ぶが、マンホールの穴からはお月様が見えるだけ。
 すると、彼女の前に、都市伝説の「白い人」が姿を現す…」

・児嶋都「呪われた黒板」(「恐怖の館」1997年5月号)
「少女の跳び下り自殺をきっかけに、奇妙な噂が小学校に広がる。
 昔、頭がおかしくなった先生が、理科室の骨格標本から、チョークを作った。
 その人骨製チョークで、黒板に呪いの言葉を書くと、呪いは実行され、その字は消えることがないのだという。
 その噂の真相とは…?」

・ぽんぽんにないない「いとしのおにんぎょう」(TRASH−UP!!」Vol.10)
「ある少女が大切にしている「まゆみちゃん」という人形。
 この人形が出来上がるまでの経緯とは…?」

・野口千里「脂肪流し」(「オール怪談15号」2000年5月11日)
「美穂、民恵、佳代は仲良し三人組。
 ただし、佳代は、普段はおデブなのに、年に一度、急激に痩せる。
 痩せた佳代は、性格が一変して、外交的になり、半年の間は、ブイブイいわせるのであった。
 民恵は、佳代を問い詰めて、ダイエット方法を聞き出すが、その方法とは…?」

・忌木一郎「猫化け」(「ホラーM」2009年6月号)
「伊佐木は男子高校生。
 彼の部屋には、三日前に失踪したとされる、クラスメートの草薙ユイがいる。
 と言っても、ユイの思考や行動は完全に猫であった。
 一週間前、ユイの飼い猫が惨殺され、彼女がひどいショックに襲われたことが原因なのかもしれない。
 奇妙な状況は、彼をある衝動に駆り立てていくが…」

・BLZ「CLAY」(「コミックアライブ」2018年10月号)
「親友のマリちゃんの結婚式に参列した女性。
 マリちゃんはひどいアレルギー持ちで、紙粘土しか食べられなかった。
 披露宴の最中、女性に電話がかかってくるが…」

・坐磨屋ミロ「七百年の呪縛 人食らう蝉」(「ホラーM」2005年8月号)
「夏休み、香織と茜は聖山に昆虫採集に出かける。
 だが、茜は蝉を捕まえようとした時、小便をかけられ、かかったところが溶ける。
 更には、巨大な蝉が現れ、茜の脳ミソを吸い、頭から貪り食うのであった。
 その蝉は、香織の兄の言う、七百年の封印から目覚めた蝉らしいのだが…」

・オガツカヅオ「こえる」(「開かずのマンガ」2019年8月号/加筆修正あり)
「四十四歳の中年サラリーマン、吉沢タケシ。
 彼の妻が失踪して以来、彼は、白いバケモノの夢を頻繁に見る。
 彼の母親は痴呆が進み、それが失踪の原因かと思われたが、詳細は全て不明なまま。
 そんな時、義妹が彼の前に現れる…」

・時任竹是(aka 鯛夢)「微笑みの造形」(「ハロウィン」1995年4月号)
「高校の入学式、麻樹は、男子生徒に目を奪われる。
 彼は木山正希という名で、麻樹が油絵に描いた、理想の男性像と瓜二つであった。
 二人は自然と付き合うようになるが、何から何まで麻樹の理想通り。
 しかし、麻樹の知り合いの浩は、彼に不審を抱く…」

(表紙・呪みちる/扉絵・伊藤潤二/目次・金風呂タロウ/挿絵・MODEL.T)

 緑の五寸釘さん・編集の「恐怖漫画短編集 孤独」の第二弾です。
 今回も非常に素晴らしく、初心者からマニアまで楽しませ、唸らせる内容です。
 特に、坐磨屋ミロ先生と奥田りょう先生を発掘したことは快挙です!(よく連絡つきましたね。そこが一番凄いかも…。)
 また、今後の再評価が期待される野口千里先生の作品が収録されているのも嬉しいところです。
 ちなみに、個人的ベストは、忌木一郎「猫化け」。(あの絵柄で、あの展開で、そう来るかー!!)
 まあ、私如きがとやかく言っても詮無い事、まだ入手は可能でしょうから、是非とも、お手に取って、お読みになってください。
 そして、第三弾が完成することをお祈りいたしましょう。

2019年12月26日・2020年3月31日 ページ作成・執筆

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