稲垣みさお「稲垣みさお短編集B」(2015年4月10日初版発行/値段の記載なし)

 収録作品

・「殺意」(1999年「ザ・ホラー」掲載)
「青年は、さゆりという女子高生を熱烈に愛していた。
 ストーカー同様の行為を行ってはいたが、片想いのまま、遠くからひそかに見つめるだけで満足していた。
 だが、突如、彼女は姉の車に同乗した際、事故に遭って、亡くなってしまう。
 さゆりの死は姉のせいだと、青年は姉の殺害をもくろむ。
 ある夜、彼女のアパートを訪れた彼は、姉の部屋に忍び込んだ泥棒と遭遇。
 成り行き上、その泥棒を捕まえてしまう。
 これがきっかけとなり、さゆりの姉は青年に親しみを持ち始める。
 青年は幾度と彼女の命を奪おうとするのだが…」

・「コックマン現象」(2001年「ホラーM」4月号掲載)
「食事が大嫌いな女子高生、ユイ。
 昔から何を食べても、味気なく、特にレバーが大の苦手。
 給食は手を付けずに全部捨て、ビタミン剤とお菓子が彼女の食事であった。
 そんなある日、彼女の学校で、「コックマン」の噂が流れる。
 噂によると、一週間、給食を残さず食べると、「コックマン」というコックさんが現れると言う。
 そして、「コックマン」のつくる料理を食べると、美人になるらしい。
 バカバカしいとユイは鼻で笑っていたが、その噂を実践した女子生徒達は皆、美人に生まれ変わる。
 ユイも噂の「コックマン」に会うために、給食の完食にチャレンジするのだが…」

・「フェロモン」(2001年「ホラーM」8月号掲載)
「男子生徒にモテモテの転入生、塩子。
 顔は地味で、単なる汗かきなのに、後ろには、彼女を慕う男子生徒が群れをなしている。
 ナツコと節世は、塩子の秘密を知るために、彼女の家の敷地に入り込む。
 実は、塩子の父は科学者で、汗をフェロモンに変える研究をしていた。
 塩子の家から、二人はその薬を盗み、ナツコは節世に薬を飲まされてしまう。
 効き目は抜群で、ナツコは前から憧れていた義男にアタックする。
 しかし、薬を盗まれたことを知った塩子が、ナツコの邪魔をする。
 薬を手に入れた女子生徒達は、より多くの汗をかくべく、奔走するのであった…」

 「異才」という表現がぴったりだと個人的には考えている、稲垣みさお先生。
 全ての作品に目を通したわけではありませんが、メチャクチャ面白いです。
 この同人誌は恐らく、単行本化されていない作品を集めたものでしょう。(確認取ってません。)
 「殺意」はオチがイマイチなように感じましたが、「コックマン現象」と「フェロモン」は「奇想」が冴えまくってます。
 そして、この「奇想」を独特の味のある絵で描写すると、う〜ん、まさしく「GROOVY!!」。
 先生の怪奇マンガをもっともっと読みたいものです。

2017年10月3日 ページ作成・執筆

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