楳図かずお「ガモラ」(1998年1月20日第1刷発行)

 収録作品

・「ガモラ LOST WORLD」(1964年〜1965年頃)
「第一部」
 平安年間。十津川村。
 一郎太、次郎太、三郎太の三兄弟は狩りの最中、「口ほこら」の方角から奇怪な物音を耳にする。
 彼らがそこに向かうと、ほこらの奥から大量の水が流れ出し、巨大な怪獣、ガモラが出現。
 ガモラは村を襲った後、再びほこらに戻るのだが…。
 舞台は移って、現代。
 天才少年の猿飛は、助手の式島と共に、我猛羅村へと向かっていた…」
「第二部」
 我猛羅村では、占いのお千婆さんが、ガモラの出現を預言する。
 猿飛少年と式島が、口ほこらへ行くと、確かにガモラの痕跡が残されていた。
 猿飛少年は口ほこらを調べるべく、水中に潜るが、謎の組織「十一人会」のメンバーが彼らの命を狙う…」
「第三部」
 ガモラは川から海に出て、東京を襲撃し、蹂躙する。
 一方、猿飛少年は、口ほこらで発見した「中間子鉱石」の謎を突き止める。
 また、同じく口ほこらで見つかった「しっぽのある少女」が仮死状態から目覚めるのであった…」
「エピローグ」(新たに描き下ろし)

・「マスクボーイ 恐怖の大黒点」(「東邦のまんがホームランブックス」1965年1月30日発行)
「近未来、日本政府は、生産集約を図るため、完全オートメーション工場を設立。
 そこでは、人間が指令を出せば、電子頭脳が全てを采配して、あらゆるものを産出する。
 だが、電子頭脳が反乱を起こし、ロボットを作りだして、人間を襲い始める。
 ロボット達は、ロボット工学の第一人者、大河内教授の屋敷を研究所を訪れ、教授の息子の竜を渡すよう要求する。
 竜は、教授の開発したマスクをかぶると、不思議な力を持つ「マスクボーイ」へと変身するのであった。
 彼はロボット達と対決するが、彼の真の正体とは…?
 そして、人類に滅亡の危機が迫る…」

 全十巻を予定されながらも、三巻までしか刊行されなかった、未完のSF大作「ガモラ」の復刻版です。
 売りは、楳図かずお先生による、残りのストーリーの粗筋と、描き下ろしの「エピローグ」でしょう。(でも、やっぱり、物足りないなあ…。)
 また、巻末には、故・米沢嘉博氏、想田四氏といった方達がみっちり解説しておりますので、興味ある方は是非、お読みください。

2019年4月25日 ページ作成・執筆

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