「怪奇貸本収蔵館第五号 陽気幽平・編」(2019年5月1日初版発行)

・本多恒美(aka 陽気幽平)「東陣探偵シリーズ 幻影」(原本は宏文堂/160円)
「ある港町の外れにある、吉川博士の研究所。
 博士の死後、博士の弟子らしい男がただ一人で住み込み、何やら研究を続けていた。
 東陣探偵は、元・海軍軍人の殺人事件の捜査のため、その研究所を調べる。
 弟子の三平をその地に呼び寄せた翌日、研究所の近くで、男の死体が発見される。
 男の持ち物のマッチから、東陣探偵は彼を船乗りと推理し、彼が立ち寄った横浜へと向かう。
 一方、探偵の弟子、三平は、研究所を見張っている途中、墓場で秘密の抜け穴を発見する。
 梯子を降りた先で、三平は、ガラス瓶に入った、一つ目のタコのような、奇怪な生物を幾つも見つけるものの、男達に捕らえられてしまう。
 研究所に殴り込んだ東陣探偵は、沈みゆく研究所から三平を救出。
 だが、これでこの事件は終わったわけではなかった。
 奇怪なタコ生物や、彼らの前に度々現れる影男の正体とは…?」

 一部のマニアに大人気(?)の謎の貸本漫画家、陽気幽平先生の本多恒美・名義での怪奇ミステリーです。
 詳しいことは付録ペーパーの妖奇七郎氏・成瀬正祐氏の解説を参照にしてください。(毎度、丸投げにしてますが、このあたりの貸本に関してはさっぱりわからないのです。)
 ミステリーやサスペンスの要素よりも、弟子の三平の珍妙なギャグの方に力が入っていて、この間延び加減が、なかなか奇妙な味わいです。
 でも、個人的には、怪物の出番を増やして、もっと派手な暴れっぷりを見せて欲しかったなあ〜。

2019年6月15日 ページ作成・執筆

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