黒須喜代治「死絵奇談」(2012年4月29日第1刷・2014年5月3日第2刷発行)
「幽霊絵を売る店を営む、死絵堂(しにえどう)家。
主人公の死次郎は、父親の遺した絵を見た際に、不吉な予感に襲われ、父親の墓のある、岐阜県の青蛙寺(せいげいじ)に向かう。
途中、いちいが原の真ん中で、人喰い蛭に襲われていたところを、青蛙寺の和尚、専念に助けられる。
専念和尚によると、死絵堂家は、その呪われた血筋により、死後、腐肉が蛭と化し、暗いじめじめした所で蠢くことになるらしい。
この話に衝撃を受けた死次郎は、発作的に、父の墓を掘り起こす。
父親の腐乱死体は、膝のところに人面疽ができており、その眼孔から奇怪な化け物が生まれ出る。
死次郎は鍬で化け物を殴り殺し、卒倒。
翌朝、彼は和尚から、死絵堂家の宝物である死絵集を預かり、東京に戻る。
彼の仕事は、青門大学付属病院での、解剖用死体の処置と死体変化の記録であった。
仕事の最中、彼は宇宙磁気の放電に巻き込まれ、感電する。
鬼によって地獄へ連れていかれる夢から覚めると、彼は火傷を負い、病院のベッドにいた。
入院中、彼は、妻が出産したとの知らせを受ける。
退院後、喜んで家に戻るものの、彼の子供は蛭にそっくりな奇形児の双子であった。
とは言え、血のつながった我が子、かわいくないわけがない。
彼は双子に蛭太郎、蛭次郎と名付け、祖先の祟りを祓うべく、ハッタリ教の教主のもとに向かう。
しかし、教主の悪魔払いも、二千年に及ぶ執念には効かず、教主は代わって、霊媒者を呼び出す。
霊媒者は死絵堂家の祖先について語るが、祖先の正体とは…?
そして、死次郎と双子の運命は…?」
マニア人気の高い兎月書房から出された、伝説的な作品らしいのですが、私、全く知識がなく、語る資格はありません。
とりあえず、読んだ感想は、意味がわからない…。
明確なストーリーがあるわけでなく、行き当たりばったりにバッド・トリップな描写をつなげていく感じです。(一部の人が目汁鼻汁を流して歓喜しそうな内容かも。)
多分、水木しげる先生の影響が濃い気がするのですが、はっきりとはわかりません。
続編の「死人切符」も復刻されてはいるものの、絶版の模様です。
2019年6月3日 ページ作成・執筆