楳図かずお「へび少女」(2005年9月1日初版発行)

・「ママがこわい」(1965年「少女フレンド」32〜36号)
「弓子の母親が長い病院生活を終え、家に帰ってくる。
 だが、母親の正体は、精神科病棟に監禁されていたヘビ女であった。
 弓子はこのことを父親や祖母に主張するが、誰も信じてはくれない。
 一方のヘビ女は弓子を食べる機会を窺い続ける…」

「まだらの少女」(1965年「少女フレンド」37〜45号)

・「へび少女」(1966年「少女フレンド」11〜25号)
「明治四十年頃、山中村。
 中村利平という男が「しのばずの沼」に猟に出かける。
 そこは、主が棲んでいると言われ、村人の誰もが近づかない場所であった。
 案の定、利平は、沼の主である大蛇に襲われる。  その左目を猟銃で射貫き、命からがら逃げかえるも、彼は高熱にうなされた挙句、数日後、変わり果てた姿となって死んでしまう。
 このことがあってから、およそ六十年後。
 中村利平の孫娘、中村洋子は祖母と二人で暮らしていた。
 ある夜、祖母を何者かに殺され、洋子は隣村のお金持ちの家にもらわれることになる。
 その家の主人は、左目に眼帯をした、美しい女性であった。
 彼女は洋子を温かく迎えるが、ヤニ入り御守に激しく苦しみ、洋子は御守を川に流してしまう。
 その夜、寝床で洋子は片目の蛇女に襲われる。
 だが、蛇女は過って自分を傷つけてしまい、部屋から逃げ出す。
 血の跡は母親の部屋に続いていたが、そこには蛇女の姿はなかった。
 しかし、次の夜、恐ろしい事実が明らかになる。
 この家の一族は蛇人間であり、洋子の母親は、沼の大蛇の生まれ変わりであった。
 洋子は、蛇人間達から蛇のうろこを飲まされ、彼らの仲間にされてしまう。
 そして、その様子を、洋子の親友、山川サツキが目撃していた。
 秘密を知られた蛇人間達は、洋子をサツキの家に住まわせ、サツキを蛇人間にしようとする…」
 「へび少女の怪」というタイトルで単行本に収録されていたこともあります。

 楳図かずお先生の代名詞と言える「蛇もの」の名作を三つ収録しております。
 ただし、雑誌に忠実な復刻ではなく、全体的(特に、恐怖描写)に大幅な加筆訂正が施されております。(明らかに絵柄が違う…。)
 また、「へび少女」にはラストの変更が行われ、「ママがこわい」に話がつながるようになってます。
 唯一、この本で不満なのは、巻末にある、金原ひとみという作家の「私のUMEZZ体験」というエッセイ。
 この作家さんの作品を読んだことがないので、よくわからないのですが、こんな文字通りに「クソ」な文章、載せる意味あるのか?!

2020年8月11日 ページ作成・執筆

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