亜月亮「深・都市伝説A」(2015年3月17日第1刷発行)

 華嶋れいこ(28歳)は大手出版社の編集者(彼氏いない歴は三年)。
 彼女はバーであったゲイの青年、ハルとあるきっかけで同居することとなる。
 彼女が配属されたマイナー・カルト雑誌「SUR」編集部では体当たり企画「深・都市伝説」を担当することとなり、二人は突撃取材を敢行するのだが…。

・「街コン」(「JOURすてきな主婦たち」2013年8月号掲載)
「華嶋れいこは29歳の誕生日を迎え、彼氏いない歴を四年に更新。
 その日の夜、大学時代の友人、恵利から都内で開催される街コンに誘われる。
 会場には二百人ぐらいの男女が集まっており、れいこは彼氏いない歴に終止符を打とうと決意を固める。
 だが、会場にはハルもこっそり潜り込んでいた。
 早速、ペースを乱されるが、ハルが酔っ払った恵利に絡まれている間、れいこは池田遼一(31歳)という外資系サラリーマンに声をかけられる。
 二人は会場を脱け出し、池田の行きつけのバーで飲むこととなる。
 一方、ハルは恵利から街コンのヤバい噂話を聞いて、れいこを捜すのだが…」

・「赤いワンピース」(「JOURすてきな主婦たち」2015年1月号掲載)
「夏、とある予備校。
 高石は裕福な家の息子で秀才であったが、それを自慢しないところが鼻につくというタイプであった。
 彼は同じクラスでいつも白いワンピースを着ている女子に想いを寄せられるも、ストーカーじみてるという理由で彼女をふる。
 彼女は予備校を辞めるが、その後、奇妙な噂が立ち始める。
 彼の背後や近くに赤いワンピースの女がいるというのだ。
 高石は否定するも、日を追うにつれ、徐々に精神が不安定になっていく。
 そして、友人に見せられた赤いワンピースの女の写真が決定打となり、彼は予備校に来なくなる。
 ある夜、友人の田白が彼のマンションを訪れる。
 田白は高石がふった白いワンピースの娘について話すのだが…」

・「呪いのアプリ」(「JOURすてきな主婦たち」2015年2月号掲載)
「ヒトミは元カレの拓巳を略奪女の梨花に奪われ、複雑な気分。
 そんな時、友人の可南子から『呪殺アプリ』というものを教えられる。
 そのアプリでは呪いたい相手の写真をアイテム(ナイフ、ハンマー、火、等)で好きなように加工できるのであった。
 しかも、この加工した写真を相手に送り付けると、相手も同じ目に遭うとネットで噂されていた。
 可南子はストレス解消と軽く考えるように言うが、さすがに人を呪うことは人間としてどうかと思い、ヒトミはためらう。
 ところが、梨香にいろいろと嫌味を言われ、ヒトミは怒りがマックス。
 彼女は呪いのアプリで梨花を焼き殺すが、翌日、昨日の晩に梨花が大やけどを負ったと知らされ…」

・「少年Kの行方」(「JOURすてきな主婦たち」2013年9月号掲載)
「木村優花は黒咲一樹という青年と婚約する。
 彼とは付き合って二年になるが、優花は彼のことはほとんど知らなかった。
 彼はS県出身で、子供の頃、両親を火事で亡くし、その後、世話になった親戚も今は亡く、天涯孤独の身であった。
 だが、フラワーショップの店長に気に入られ、そこで働いていた時、優花と知り合ったのである。
 ある日、彼女のマンションの部屋のドアポストに原田建一という人物から封筒が届く。
 手紙には黒咲一樹が十数年前、東京と隣のS県で起きた連続殺人事件の犯人、「少年K」だと書かれていた。
 そして、差出人の原田建一は少年Kによる四人目の犠牲者、原田佐穂の父親であった。
 優花は華嶋れいこに連絡を取り、「少年K」連続殺人事件の情報を送ってもらう。
 だが、「少年K」は古我伸次という少年で、一樹とは似ても似つかない。
 彼女は原田建一とファミリーレストランで会い、彼の間違いを指摘する。
 原田建一は事件の真犯人は一樹だと主張し、その様子はちょっと普通ではない。
 彼女は彼と別れて後、一樹に本当のことを教えてほしいと頼むのだが…。
 「少年K」の正体は…?」

 徐々にれいことハルの出番が少なくなって、寂しい限りです。
 個人的には、二人のとんちんかんなやり取りが都市伝説の生臭さを中和してくれて良かったのですが…。

2025年4月15日/5月5日 ページ作成・執筆

双葉社・リストに戻る

メインページに戻る