岩田れんたろう「幽霊になった少女」(1980年10月20日発行/黄132)


「風間二郎は、恋人の大原留美を飛行機事故で失い、失意に沈む。
 だが、写真部の友人である小林の撮った写真に彼女の姿が偶然に写っていた。
 二郎は小林と共に町のどこかにいる留美を探し始める。
 一方、二郎の兄、一郎はある夜、男を轢いてしまう。
 男はすでに脈はなく、一郎は公衆電話で警察に連絡するが、警官の駆け付けた時には死体は消失していた。
 しかし、車には人をぶつけた痕があり、一郎は死体消失のトリックを見破る。
 一郎は消えた死体について調べるうちに、男は事故を起こした飛行機の乗客であることが明らかになる。
 飛行機事故に秘められた謎とは…?
 また、風間兄弟に付きまとう黒服の男の正体とは…?
 数々の困難を乗り越え、一郎は留美と再会し、彼女を匿うが、彼女の身には異変が起きようとしていた…」

 個人的に、久々のヒットでした。
 ネタばれですが、私の大好きな「発狂物質」がストーリーの肝で、前半はミステリーなのに、後半は野獣化した石ノ森風少女の凶行をフィーチャー。
 可憐な美少女が目もとヤバ過ぎキャラへと豹変するギャップの激しさにエビ反り必至です。(自分のしでかした凶行に怯え、憔悴していくところもいいです。)
 また、川島のりかず先生の「けもの喰いの少女」よりも早く、犬の腸を引きずり出して、貪り食っているのもポイント高し。(右上の画像を参照のこと)(もしかして、影響を与えたとか?)
 もっと注目されていい作品だと私は思います。

・注1
 貸本使用。ビニールカバー貼り付け。袖を留めたセロテープが痕になっている。巻末に貸出票の剥がし痕あり。

2018年1月23日 ページ作成・執筆

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