なかのゆみ「呪われた人形」(1984年12月6日発行/黒31)

「医者の娘、片桐リサは、両親にかまってもらえず、孤独な幼少時代を送る。
 ある日、リサは庭で薄汚れた人形を拾う。
 リサは、その人形に、モモという、産まれてすぐに死んだ妹の名前をつけ、遊び相手にする。
 だが、その人形にはモモの怨霊が乗り移っていた。
 モモは、その醜い容貌のために、世間体を気にする母親によって殺されていた。
 手始めに、モモの人形は、人形を捨てようとした母親を惨殺。
 再び人形を手に入れた、リサは、この人形をなるべく人の目に触れないようして、大切に扱う。
 小学校に入り、いろいろな友達ができると、明るく可愛いリサは皆の人気者となる。
 だが、邸に遊びに来た友人達が人形を気味悪がったことから、リサは人形を処分することを決意する。
 リサの心変わりを知った、モモの人形はその本性を現し、リサと入れ替わろうと画策する…」

 「呪われた人形」は、なかのゆみ先生が、ひばり書房の黒枠単行本に唯一、描かれた作品でありますが、これはヒバリ・ヒット・コミックスでの再刊です。(注1)
 なかのゆみ先生の作品の中で最も有名なものでしょう。
 レディコミのように「愛欲」「嫉妬」「不倫」といった要素はなく、もろ「B級怪奇マンガ」です。(でも、レディコミ並にドロドロしてます…。)
 「人形に触れると、触れた部分が人形と入れ替わる」というアイデアはなかなか斬新だと思いますが、人形の容貌(特に、眼と口)が「低予算の特撮に出てくるチープな怪人」といった風情で、「怖い」というより正直、「ズッコケ」ちゃいます。
 人形の容貌に一工夫あれば、佳作になったのではないでしょうか?
 あと、表紙は、黒田みのる先生の率いる「パワー・プロダクション」です。(後ろの袖に、その旨、記載されてます。)

・注1
 意外と入手困難で、未入手です。

2018年2月23日 ページ作成・執筆

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