さがみゆき「墓を掘る少女」(1981年8月1日発行/黒94)

「台風の通過後、北大路家の屋敷の庭にある石垣が崩れたところに、洞穴が現れる。
 双子の姉妹、北大路あゆみと京子はその洞窟に入ってみるが、奥に扉があり、その向こうにはお札を貼り付けた棺があった。
 あゆみが父親を呼びに行っている間に、京子は棺のお札を破ってしまう。
 あゆみが両親と戻ってきた時には、姉は死体となっており、棺の中から着物姿の不気味な女性が現れる。
 その女性は鋭い犬歯をむき出しにしてあゆみを襲うが、落ちていたかんざしで心臓を刺し貫かれると、古びた死体へと変わる。
 あゆみの両親はあゆみにこのことは絶対に秘密にするよう固く命じ、その洞窟を塗りこめて、姉は死因を心臓発作として葬式を出す。
 三か月後、あゆみがベッドでこのことについて思いを巡らしていると、墓に埋葬されたはずの京子が現れる。
 京子は吸血鬼となっており、あゆみは首から血を吸われてしまう。
 次の夜、あゆみは姉が吸血鬼なのかどうかを確かめに墓場へ行き、姉の墓を暴く。
 そこには今もなお生前と変わらない姉の遺骸があった。
 吸血鬼であることがはっきりして、慌てて埋め直すものの、京子が目を覚ます。
 悲鳴を上げて、気絶したあゆみが目を覚ますと、そこはお寺であった。
 あゆみの悲鳴を聞きつけて、寺に住む人々があゆみを寺に運び入れてくれたのであった。
 そこの和尚が語る、北大路家に先祖の琴姫さまにまつわる呪いとは…?」

 1970年代に黒枠へ描きおろされたマンガの再録なのでしょうが、突っ込みどころが多く、残念な作品です。
(江戸時代のエピソードはかなり面白いのですが。)
 個人的には、内容よりも、「レレレのおじさん」の絵(額装付)(p49)の方が気になって仕様がありません。
 また、巻末に「読者のおたよりコーナー」がありまして、「美少女とカラス」が大のお気に入りの女の子(G県M市)のお便りが載ってます。
 友達に「美少女とカラス」をなくされた少女が、再び手に入れようと、M市の本屋を探し求める様は、涙なくしては読めません。(テキト〜言ってます。)
 それにしても、まだ若いのに「美少女とカラス」に夢中というのがちょっぴり心配…女友達にいきなり噛みついたりしなければいいのですが…。

・備考
 水濡れあり。

平成27年12月17日 ページ作成・執筆

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