森由岐子
「おじょも寺の妖怪地蔵」(1985年12月16日発行/黄68)
「たたりの尼寺」(1988年1月16日発行/黄196)

「間山あゆこ、相崎可奈、沖一馬は仲良し三人組。
 三人は、可奈の祖母の家がある、山間のS村で休暇を過ごすこととなる。
 自然が豊かで、三人は大はしゃぎだが、ただ一つ、滝の近くにある、おじょも寺にだけは近付かないよう注意される。
 おじょも寺は正しくは、千弥寺と言ったが、「おじょも」という妖怪が出ると言うので、そう呼ばれていた。
 そこの住職は次々と狂い死にをし、村人達は誰も近付かず、今は無人の荒れ寺になっているという。
 三人は近寄らないと約束をするが、外で遊んでいた際、夕立にあい、おじょも寺に避難する。
 中に入ってみると、仏像の前に、小さな粘土づくりの地蔵がたくさん並んでいた。
 数時間後、雨がやみ、彼らが外へ出ると、彼らと入れ替わりに、美しい尼僧が寺の中に入っていく。
 彼女のことが気になり、翌日、三人は、おじょも寺を訪れる。
 彼女はこの寺には来たばかりで、つらい過去を忘れるため、ひっそりと暮らしていると話す。
 すっかり安心し、三人はその次の日も寺に行くが、帰る時、尼は沖一馬に、明日、誰にも知られずに一人で寺に来るよう頼む。
 彼は、彼女の死んだ恋人と瓜二つらしく、彼も尼の美しさに魅了される。
 翌日、彼は内緒で尼僧のもとへ向かうが、以来、消息を絶つ。
 休暇の最終日、可奈は、一馬の失踪はおじょも寺のせいではないかと考え、尼にこの寺から早く出るよう忠告しに行く。
 尼は、自分にはこの地蔵尊がついているから大丈夫と可奈を安心させ、地蔵尊を一つ、可奈に持たせる。
 二人は東京へ戻るが、沖一馬の失踪を周囲に責められ、可奈は暗くなり、孤立するようになる。
 それだけでなく、生肉や生魚を好むようになり、どう見ても、まともではない。
 可奈が地蔵尊を持っていることを知り、あゆこは、おじょも寺に原因があると考える。
 彼女は、可奈の祖母のS村へ行って、地蔵尊のことを調べるのだが…」

 悪霊の正体が意外で、まあまあ、面白いと思います。
 ただ、表紙の、赤い唇の「妖怪地蔵」は本編には出てきません…。

2020年11月22日 ページ作成・執筆

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