浜慎二「闇に光る幼女の目」(1982年5月6日・1982年3月16日・1983年5月16日発行/黄156)
浜慎二「夜歩く死体」(1988年4月16日発行/青168)
収録作品
・「闇に光る幼女の目」
「工場で働く青年、前田武。
バイク好きが嵩じて、暴走族のグループをつくってはいたが、目を病んでいる妹に手術を受けさせるため、実家に仕送りをしている律義者でもあった。
ある夜更け、彼が高速道路でバイクをとばしていると、目の前に小さな女の子が現れる。
突然のことで、はねてしまうが、少女はかすり傷一つ負っていない。
ただ、少女は自分の名前すら知らず、結局、武は少女を自分のアパートに連れて帰る破目になる。
そこへ、武のグループのメンバーが現れて、先程、別のグループと喧嘩になったと聞かされる。
翌日、武は少女を養護施設に預けるが、その後も、少女のお陰で災難を逃れることができる。
少女の正体とは…?」
ヒバリ・ヒット・コミックスに浜慎二先生が唯一描き下ろした作品なのでありましょうか?(雑誌に掲載された可能性もあります。)
浜慎二先生の描く、小さな女の子は、やっぱり可愛いです。(幼児趣味はありませんので、あしからず。)
この作品の発展形(?)が浜慎二「血まみれの幼女」(秋田書店)であります。
・「魔首」
「ある村で、生きたまま、首をもぎ取られるという殺人事件が連続して起きる。
被害者は皆、ある兄弟の死に関係していた。
半年前、開発計画に反対して、土地を売るのを決して肯(がえ)んじようとしない章太という若者がいた。
開発計画を推し進めたい観光会社の社長は、村長を焚きつけ、章太をダンプで轢殺させる。
しかし、執念故か、章太の生首だけが病院で療養中の弟のもとへ這っていくと、弟の腹に章太の顔が浮き出したのであった。
これを知った村長は医師に命じて、章太の弟を生き埋めにする。
今、兄弟は蘇えり、二人の死に関わった人々を皆殺しにして、復讐の手は観光会社の社長のもとにも伸びる…」
・「犬男」
「一人息子を野犬に噛み殺された獣医の老人。
彼は犬に対する憎悪を募らせていき、抑えることができなくなっていく。
はずみで、老人は助手の青年を殺うが、顔についた血が消えなくなる。
そして、遂に老人は…」
「魔首」と「犬男」は「狂った生首」(ひばり書房黒枠)からの再録です。
2016年10月23日 ページ作成・執筆