川島のりかず「けもの喰いの少女」(1987年8月16日発行/青158)
「授業中に起こった、みすずという少女の飛び降り自殺。
原因はダイエットの失敗とされた。
その日を境に、みすずの友達だったノン子は食欲が止まらなくなる。
無意識のうちに、菓子を買い込み、授業中だろうと構わず食べまくる。
過食症はどんどんひどくなり、夜中に、冷蔵庫のものを食べるだけにとどまらず、生ゴミや野良犬の内臓まで貪り食うのだった。
ブクブクに太ったノン子は、彼氏の岸田に捨てられ、今度はダイエットに挑戦するが…」
何と申しましょうか…ギャグマンガと川島のりかず先生のマンガは相容れないとしみじみ考えさせられるような内容なのであります。
川島のりかず先生はユーモラスな表現を目指していたのかもしれませんが、逆に違和感に満ち満ちております。
でも、味があっていいんだな〜(←魔女っ子メグちゃん風に)。
妙に存在感のある家族(妹の描写が冴えてます。親父さんの影の薄さもいい!!)、授業中に盗み食いをする描写、冷蔵庫の中のものを貪り食う描写、ノン子が彼氏を食い殺そうとする描写…ギャグなのか、ホラーなのかワケわかりません。
迷走を続けた挙句、p157を過ぎたあたりから、本来のペースに戻ります。(ここのノン子の描写は、伊藤潤二先生に肉薄する…かも…。)
が、最後はうやむやのうちにハッピーエンド…この釈然としない感は何…?
ちなみに、ノン子は太っても、やっぱり可愛いように思います。
「ぽっちゃり」とかものは言いようですが、美人は太っても美人は真理でありましょう。
まあ、美人の基準なんてものは個人や時代によって違い、絶対的なものではありません…が、私は「美人」がいいし、あなたも「美人」(もしくは「イケメン」)がいいでしょう。
人間とは何と救い難い動物なのでありましょうか。
平成27年1月16日 ページ作成・執筆