池川伸一「母さんの鬼面」(1979年7月31日発行/黒95)

「ある夜、ある邸で起こった怪事件。
 入浴後に母親が使った美容クリームに劇薬が仕込まれていたのだった。
 父親は、娘の節子とルミ、祖父、邸の使用人達を問い質すが、誰も知らないと言う。
 娘のうちの一人、節子は夢遊病の気があるが、まさかそんなことをするとは思えない。
 母親の火傷は重く、ある夜、自室で首吊り自殺。
 父親はそのことを邸の者には秘密にして、死体をどこかに運び去る。
 その夜、ルミは姉の節子がベッドから脱け出し、ベランダに出ていることに気付く。
 夢遊状態の節子は、右手を差し上げ、「呪われたこの邸に、悪魔よ、きたれ〜」云々と呪詛の言葉を呟いていた。
 その時、節子の右掌に、ハート形のアザが浮き出ていたのをルミは目にする。
 翌朝、このことをルミから聞いた父親は青ざめる。
 父親には14歳の頃に、死別した恋人がいた。
 恋人の死の間際に、永遠の愛を誓うために、二人は掌にハート形の焼きごてを押し当て、傷口を合わせたのであった。
 しかし、父親はいつしかその誓いを忘れ、別の女性と結婚して、家庭を築く。
 父親は、死んだ恋人の悪霊が節子に憑りついたことを知り、手を打とうとするのだが…」

 黒枠版からの再刊であります。

2017年4月25日 ページ作成・執筆

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