森由岐子
「魔怪わらべの唄」(1983年3月16日発行/黄147・1984年11月6日発行/黄54・1988年9月16日発行/黄259)
「魔怪わらべ恐怖の家」(1987年7月6日発行/青182)
「宗教運動員の糸井あずさ(19歳)は布教のため、ある町を訪れる。
鈴木の表札がかかっている家のチャイムを鳴らし、早速、その家の婦人に神仏の存在をアツく訴える。
途中、急に生理現象に襲われたあずさは、婦人の制止も振り切って、家中トイレを探す。
だが、「この家にはトイレがない」!!
結局、外の茂みで用を足しすが、帰宅後、その家のことが気になって仕方なくなる。
そこで、彼女は、知り合いのルポライター、正木涼にこの家の話をする。
涼は、この話に特ダネの予感を感じ、セールスマンのふりをして、この家に入り込む。
だが、それっきり、彼は家から出てくることはなかった。
あずさはこの家に何か秘密があると睨むが、婦人とその子供達の魔手が彼女に伸びようとしていた…」
唐沢俊一&ソルボンヌK子「森由岐子の世界」(白夜書房)にてまるごと復刻された、怪作中の怪作です。
世の中にはどういう経緯で描かれたのか理解に苦しむ作品が多々ありますが、さすがにここまでのモノは滅多にありません。
推測ですが、森由岐子先生は多少、毛色の変わったものを描こうと、SFテイストを取り入れたのではないでしょうか?
ただ、あまりにSFに関する知識が乏しかったことに加え、SFだから何をしても許されるだろうという安直な考えがここまで作品を破天荒にしたのではないか?と私は勘ぐっております。
でも、何故にヒロインが新興宗教の信者?
森先生のところに勧誘員が来て、不愉快な思いをされたことがあったりしたのでしょうか?
と、ウダウダ想像を巡らしても、実際のところは、森先生御本人に聞かなければわからないことです。
ですが、唐沢俊一氏の復刻本にまつわるトラブルがありますので、お聞きしたら、恐らく、気分を害されるだろうなあ〜。
残念なことだと思います。
2019年3月19日 ページ作成・執筆