岩田れんたろう「幽霊が!夜の教室に」(1986年8月16日発行/青101)

「市立犬神中学校へ転校することになった御子神霊(みこがみ・れい)。
 彼が学校の下見に出かけた際、校舎の前で、人の形をした血糊の幻覚を見る。
 まさにその日、中学校で殺人事件が起きる。
 被害者は山崎唯という男子生徒で、幻覚で目にした通りに、何者かに黒板に投げつけられ、全身打撲で死んでいた。
 その場に居合わせたのは、山崎に交際を強要され、逃げ出した星乃江利香だけであったが、どう考えても彼女の仕業ではない。
 犯人は見つからないまま、御子神霊は犬神中学に入学、星乃江利香と同じクラスになる。
 また、江利香に想いを寄せる、虚弱な少年、今野一平と仲良くなる。
 だが、雨の日、彼はまたもや奇怪な幻覚を見る。
 その後、星乃江利香に交際を迫っていた男子生徒が失踪、後日、幻覚と同じ、怪死を遂げているのが発見される。
 現場には、星乃江利香がいた形跡があった。
 そして、起こる第三の殺人…。
 一方、山崎の恋人だった小林ノリ子は、江利香に対して復讐の炎を燃やす。
 殺人犯は一体誰なのだろうか…?」

 岩田れんたろう先生に関しては、詳細はよくわかりません。
 とりあえずは、石ノ森章太郎先生タッチの絵柄で、安定した実力の持ち主だと思います。
 この作品は「SFホラー」のジャンルに入るもので、よくあるパターンのストーリーのため、すぐに犯人がわかってしまいますが、当時としては良質な内容のように思います。
 それにしても、石ノ森先生風絵柄の怪奇マンガが味わい深いな〜。
 故・手塚治虫先生は優れた怪奇マンガを幾とも遺しているのに対して、もう一方の雄、石ノ森章太郎先生には「怪奇マンガ」のイメージが全くないのであります。(注1)
 というワケで、この作品、個人的にはとっても新鮮でした。(ちゃんと「SF」の要素も入っているところが心憎い。)
 また、私、石ノ森先生の描く女性が大好きでして、この作品の美少女達もとっても良かったです。(冒頭では、下着姿も拝めます。もちろん、下着の色は「白」です。)

・注1
 個人的に思い浮かぶのは、小松左京の名作の漫画化「くだんのはは」ぐらいです。
 まあ、私が知らないだけで、怪奇マンガの名作がたくさんあるのかもしれませんが…。

2018年1月22日 ページ作成・執筆

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