さがみゆき「魔女を切り裂け」(1983年3月16日発行/黒103)
さがみゆき「血まみれ館の首」(1988年4月16日発行/青195)


「南条家の屋敷の前に捨てられていた久美。
 彼女は屋敷に女中として仕えながらも、実際は南条家の娘、冴子と姉妹のように育ったのであった。
 しかし、久美が17歳の頃、冴子の父親は他に女をつくり、母親はショックにより病に伏せるようになる。
 病身の母親のために、冴子は母親の絵を描こうと試みるが、絵の完成を待たずに他界。
 取り乱して、嘆き悲しむ冴子であるが、葬式の日に母親の絵を完成させると、平静を取り戻す。
 冴子は、その絵の中に死んだ母親の魂があり、いつもおしゃべりをすると久美に話す。
 そんなある日、父親が再婚相手の静枝を屋敷に迎える。
 冴子は自分の母親はまだ生きていると静枝を突っぱね、呪い殺されるかもしれないと脅すのであった。
 それ以降、静枝の周りで怪異が続発する。
 ある夜、久美は、冴子の母親が絵から抜け出て、呪いをかけている場面を目撃するのだった。
 本当に、冴子の母親は絵の中で生きているのだろうか…?」

 実は二部構成なのですが、くどくど書くと、ネタバレになりますので、粗筋が書きづらいのであります。
 思わぬどんでん返しがあるのですが、更に驚く展開が!!
「かっ飛ばせー」となりふり構わず応援したくなるラストだけでも、(個人的に)「名作」認定いたします。

 ちなみに、インスピレーションのもとになったのは、楳図かずお先生の「剣を持った、絵の女性が、絵から脱け出して襲いかかる話」(タイトル失念。また、調べときます。)でしょう。
 絵にまつわる怪談は多いのですが、わざわざ絵から脱け出してきて、人を襲うアグレッシブさは、後の怪奇マンガに大影響を与えたのではないでしょうか?
 楳図かずお先生のマンガを基本にしておりますが、ちゃんとアレンジして、別の作品に仕立て上げており、二番煎じではありません。
 最後に、呪いのかけ方は「エコエコアザラク」に影響を受けたのでありましょうか…?

平成27年12月7日 ページ作成・執筆

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