森由岐子
「呪いの島の顔なしミイラ」(1987年2月16日発行/黄76)
「私は恨み殺したい」(1988年2月16日発行/青179)

「大人気のデュオ、ビューティペア。
 ボーイッシュな朝倉美紀と、女性らしい麻月さおりは幼い頃からの付き合いで、気の合った者同士。
 だが、人気の差から美紀はさおりに徐々に嫉妬を燃やすようになり、それは、トップ・タレントの古城淳がさおりに関心を持ったことで頂点に達する。
 美紀はさおりにケガをさせるべく、舞台シューズに細工をする。
 しかし、手違いからそれは美紀のものと入れ替わり、美紀はステージで重傷を負う。
 顔にひどい怪我を負った美紀は復帰を焦るものの、傷はなかなか癒えず、薬の副作用から容姿は以前とは似ても似つかないものとなる。
 一方のさゆりはソロとしても活躍し、遂にはビューティペアは解散。また、マスコミにはさゆりと古城淳は婚約が囁かれるようになる。
 失意の美紀は、退院後、さゆりへの恨みを胸に抱き、瀬戸内海で入水を図る。
 fだが、彼女はある島に流れ着き、そこで一人の老人に助けられる。
 老人は美紀に、亡くなった孫娘の面影を見出し、彼女を家に置き、あれこれと世話を焼く。
 その島には、岩魔神という名の魔神像が祀られていた。
 この像は平家の落人がつくったもので、どんな願いでも叶えてくれると言う。
 美紀は、さおりを呪い殺してくれるよう連日祈るが、ちっとも祈りが届いた様子がない。
 見かねた老人は美紀に、命以外の大切なものと引き換えでないと、岩魔神は願いを叶えないと教える。
 ある日、島に、さゆりと古城淳が映画の撮影に訪れることとなる。
 さゆりの華やかな姿を目にし、美紀は岩魔神に、命以外で大切なものと引き換えにすると訴えるのだが…」

 芸能界を舞台にした作品ですが、主人公達のデュオが「ビューティペア」って…もしかして、他にもそういうペアがあること、知らなかったんでしょうか?(注1)
 ベテランらしくストーリーはきっちり練り上げられているものの、性悪なヒロインに感情移入が難しいかもしれません。

・注1
 ビューティ・ペア解散後、マキ上田さんが出した「あいつはインベーダー」はテクノ歌謡の名曲です。

2018年12月24日 ページ作成・執筆

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