日野日出志「悪魔が町にやってくる 恐怖!!ブタの町」(1985年10月16日発行/青72)

「赤い満月の夜。
 ある町が謎の覆面騎馬軍団に襲撃される。
 住民は片端から拉致され、抵抗するものは情け容赦なく殺される。
 けん一は、トイレに起きていたために辛うじて難を逃れ、秘密基地にしていた、山中の廃屋へと避難する。
 町は一夜のうちに廃墟にされ、空き地に作られた小屋に町の人々は監禁される。
 けん一が、家族に会いに、小屋に忍んで行くと、父親から恐ろしい事実を知らされる。
 町を襲った覆面軍団は悪魔であり、囚われた人々はブタに変えられてしまうと言うのだ。
 方法はブタのように三回鳴くだけでいいのだが、拒否すれば、激しい拷問の末、嬲り殺しにされる。
 けん一は町からの脱出を図るが、失敗し、その間に、町の人々は惨殺されるか、ブタに変えられてしまう。
 ブタに変えられても、無事に済むことはなく、ブタ達は情け容赦なくこき使われては、次々と力尽きていく。
 けん一は再度町から脱け出そうとするが、覆面軍団に隠れ場の廃屋が突き止められる。
 覆面軍団に追われ、けん一は、町の中央に建設されている巨大な建物に逃げ込む。
 彼がそこで見たものは…?」

 トラウマ・ホラーの名作ですが、内容よりも意味不明なラストの方が遥かに衝撃です。
 皆が皆、口をそろえて言ってますが、本当にワケわからんです。
 「まんだらけZENBU創刊号」(1998年12月20日発行)に、日野日出志先生へのインタビュー記事がありまして、漫画家の谷口亜夢先生がこのマンガのラストがどういう意味なのか質問しております。
 それに対する日野先生の答えは「あれは私もよくわかりません」(p81)とのこと。
 続けて、「悪夢」だと考えればいいとか述べておりますが、ごまかしている印象が拭えないな〜。
 へっぽこ・ジュブナイル「四次元ミステリ ゴゴラ・ドドラ」(立風書房)でもラストに同じギミックが使われていましたので、「意味わからんけど、何かスゴくね」と日野先生の中で「マイ・ブーム」だったのではないではないか?と個人的に推測しております。(あくまでも推測に過ぎず、真相は謎です…。)

2017年11月5日 ページ作成・執筆

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