川島のりかず「怨みの猫がこわい!」(旧題「恐怖の黒い占い師」)
(1988年8月16日発行/青228)

「沙里と圭子はある占い師のもとへ運勢を占いに行く。
 すると、占い師は二人が一週間前に猫を殺したために、祟られていると言う。
 実際、二人は石を投げて、猫を圧殺していたのだった。
 占い師は猫の怨みを鎮める為に、これから二ヶ月の間、猫を殺した石を磨くよう言う。
 そうしないと、沙里は高熱に苦しんだ挙句に死、圭子は事故死するとのこと。
 呪いなんかと鼻で笑う二人だが、数日後、圭子が事故死。
 その夜から沙里は原因不明の高熱に苦しむようになる。
 占い師に言われた通り、沙里は石を磨き続けるが、ある程度、沙里の体調がよくなった頃、両親は石を川原に捨ててしまう。
 必死になって石を探すうちに、沙里は不思議な世界に迷い込むのだった…」

 後半で、ファンタジーの皮をかぶった、バッド・トリップが大展開!!
 絵柄もほのぼのしてますし、残酷描写がほとんどないからと油断すると、凄まじいボディブローを喰らう、地雷的作品です。
 個人的に、川島のりかず先生の作品の中で、危険さは五指に入ります(注1)。最後のページの、少女のとろけまくった笑顔だけでも、その資格は十分にあります。

・注1
 個人的に、危険な作品五選は、この作品の他に「フランケンシュタインの男」「死人をあやつる魔少女」「化物家族」「私は生血が欲しい」です。
 選考の基準は、一生涯、心の奥底にこびりついて剥がれそうにない程の、読後感の割り切れなさ…これのみであります。
「中学生殺人事件」は入ってないの?という質問がありそうですが、読んでおりませんので、除外しております。
 どの道、「中学生殺人事件」は今やとんでもないプレミアがついておりますので、これから先、余程の幸運に恵まれない限りは読むことは無理です。
 無理なら無理で仕方のないこと、いつか私よりも遥かに怪奇マンガに詳しい人がもっと内容のある話をしてくださるでしょう。

平成27年1月4・20日 ページ作成・執筆

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