日下部拓海「人形の家」(石神白夜・原作/1999年1月8日第1刷発行)

 収録作品

・「門より出でし闇」(1993年8月増刊号「学園恐怖伝説」)
「清世美は粗暴で怠け者だが、神社の娘で見習い巫女さん。
 彼女の学校で新しい校門の工事が始まるが、どうも方角的に良くないように感じる。
 それは気のせいではなく、彼女の友人が二人立て続けに事故にあう。
 放課後、彼女が準備をして駆けつけた時には、学校では鬼門が開き、「魔」の世界とつながっていた。
 清世美は友人二人と共に鬼門を閉じようとする…」

・「〜Essence〜」(1996年8月増刊号「恐怖まんが666」)
「都立高野台高等学校。
 谷内祐二と香奈は相思相愛のカップル。
 二人は幸せでいっぱいであったが、周囲では二人への嫉妬が徐々に募っていく。
 そして、迎えた修学旅行の日。
 二人への他愛のないいたずらが重大な事故を招き…」

・「人形の家」(1997年1月増刊号「恐怖まんが666」)
「優梨はクマのぬいぐるみを大切にする少女。
 彼女は何か忘れているような気がして仕方がないが、それについて思い出すことができない。
 ある日、彼女は友人のさくらと共に公園に行くと、奇妙なことばかり起こる。
 少年が道路で轢かれても誰も気にせず、さくらの手を握ったら、肘から先が取れてしまう。
 怯えた優梨は家へと逃げ帰るのだが…」

・「私の愛したスター」(1997年9月増刊号「恐怖まんが666」)
「明穂の恋人は「BEEP」のボーカル、日向尚也。
 BEEPはデビュー三か月でスター街道を邁進するが、新人歌手に恋人は御法度(注1)で、明穂は尚也の恋人として表に出ることはできなかった。
 彼とろくろく会うことはできず、ゴシップ記事に心乱される。
 限界に達した彼女はBEEPのマネージャーを脅し、彼が隠れ住んでいる場所に駆けつけるのだが…」

・「WHITE PRINCESS」(1996年8月増刊号「恐怖まんが666」)
「美咲は美人で性格の優しい、会社社長のお嬢様。
 冬休み、大して付き合いのない女子生徒二人からS高原でのスキーに誘われるが、彼女たちの目当ては美咲の父の所有するリゾートマンションであった。
 三人でスキーに来たものの、女子生徒二人は美咲に好感を持っておらず、初心者の彼女を林間コースに置いてけぼりにする。
 その際、彼女はイケメンのインストラクターに声をかけられるも、やっぱり、女子生徒二人がしゃしゃり出て、美咲は結局、一人ぼっち。
 スキーの後、女子生徒二人は彼とどこか食事に行ったらしく、夜になってもマンションに戻ってこない。
 美咲が心配していると、女子生徒から携帯電話に電話がかかる。
 話しているのは昼間にあったインストラクターの青年で、女子生徒二人は彼の家で眠っていると言う。
 美咲は二人を迎えに行くのだが…」

・「上へまいります」(1998年9月増刊号「恐怖まんが666」)
「女子高生の遊奈は一人でデパートのバーゲンに行く。
 エレベーターで七階に向かうが、途中、エレベーターが急に止まり、エレベーターガールの女性と二人きりになってしまう。
 遊奈はエレベーターガールの女性に興味を抱き、彼女に彼氏がいるのかどうか尋ねる。
 女性にはコンパで知り合った男性と少し前まで付き合っていた。
 だが、男はエレベーターガールと付き合っていたことを自慢したかっただけで、一か月で別の女性に乗り換える。
 しかも、その女を連れて、このデパートのエレベーターに乗りに来るのだが…」

 もう少し内容を膨らませて、奥深さを持たせてほしい…と思わせる作品が多めです。(「〜Essence〜」「人形の家」「私の愛したスター」)
 単行本での個人的ベストは「上へまいります」。
 エレベーターという閉鎖空間でのサスペンスで、内容に関しては若干、無理があるものの、なかなか面白いです。
 「WHITE PRINCESS」も良い出来とは思いますが、あれはさすがに可哀そう…。

・注1
 The Byrds の往年のヒット曲「So you want to be a Rock'n'Roll star」には「And in a week or two if you make the charts,the girls will tear you apart」と歌われております。

2026年3月24日 ページ作成・執筆

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