瀬口恵子「死人心中」(1999年9月6日第1刷発行)
収録作品
・「死人心中」(「恐怖まんが666」1998年1月号増刊掲載)
「会社社長の息子、春彦は、部下の早敷公子(さじき・くみこ)と山中で心中をする。
だが、彼は巨大企業の社長令嬢、浅見江里子と付き合っており、心中は、妊娠した公子を葬るための芝居であった。
春彦は一人で山を下り、公子は自殺として処理される。
その後、江里子と婚約した彼の前に、公子にそっくりの女性が現れる。
彼女の名は牧田佐和で、妊娠した江里子の下で家政婦として雇われる。
佐和は公子とは全く関係はないものの、ことあるごとに公子のように振る舞う。
春彦は次第に疑心暗鬼にかられていき…」
・「失われた真相」(「恐怖まんが666」1999年61月号増刊掲載)
「彼女が山中で頭に傷を負った状態で気が付くと、目の前に、見知らぬ男性の血まみれの死体が横たわっていた。
彼女の手にはナイフが握られ、彼女は自分が殺人を犯したのではないかとパニックになり、車道にとび出たところを保護される。
病院で、彼女は記憶喪失と診断され、駆け付けた両親は彼女を家に連れて帰る。
彼女の名前は大貫千恵というらしいが、全く覚えがなく、自分の部屋さえもなじみがない。
また、自分が殺人を犯したかもしれないと思うと、記憶を取り戻すことを躊躇してしまう。
そんな彼女のもとを、若い心療内科医の青年がカウンセリングに訪れる。
だが、彼は、妙に思わせぶりなことばかりを言って、何か詮索している様子であった。
更に、彼は、死体のそばに転がっていたのと同じ万年筆を持っていた。
何度か身に危険があり、千恵は彼が殺人犯だと確信するのだが…」
・「サイコグリーン」(「恐怖まんが666」1998年5月号増刊掲載)
「上条は、グズで、嫌われ者の少女。
彼女は、皆がリラックスできるよう、緑色のグッズで身をかためていたが、大して効果はない。
ある日の学校で、彼女の、頭の中が緑色に染まり、その中にある光景を視る。
咄嗟に、彼女は、教室の扉を開けないようクラスメート達に叫ぶと、教室の中で爆発が起きる。
何者かによって爆発物が仕掛けられていたらしいが、彼女の注意により、怪我人は少なくて済む。
これをきっかけに、上条は予知能力者としてクローズアップされ、クラスの注目を集める。
だが、上条が否定しているにも関わらず、皆、彼女の予知能力を当てにし始める。
そのことが彼女をどんどん追い詰めていき…」
・「ROUGE(ルージュ)」(「恐怖まんが666」1999年1月号増刊掲載)
「伊波早紀は合コンに行く際、きれいに見せるため、姉のルージュを使う。
このルージュは姉が彼氏から毎月の記念日にもらっていたもので、ベージュから赤へと移っていったが、最後の真紅をもらう前に、大学構内で、手首を切って自殺する。
姉は妊娠しており、それを苦にしての自殺とされたが、早紀は姉が自殺したとはどうしても思えない。
合コンで、早紀は、古峨達矢という青年と知り合う。
彼は、姉とはクラブの先輩後輩の仲で、連絡先を交換し、交際が始まる。
年の暮れも近いある日、彼女は、風邪をひいた彼の部屋を訪れる。
そこで、いまだ見つかっていない、姉のネックレスを発見する。
それには、血らしきものがついていた。
しかも、姉が彼氏からもらっていたのと同じメーカーのルージュもあり、彼は血相を変えて、それを早紀から取り上げる。
早紀は、古峨達矢が姉と付き合っていて、殺したのではないかと疑い始めるのだが…」
2021年2月5日 ページ作成・執筆