日下部拓海「うしろの正面…」(石神白夜・原作/1992年12月8日第1刷発行)
・「うしろの正面…」(1991年「おまコミミステリー」vol.1)
「S県M島中学校。
ここでは夜中、野犬が出るらしく、花壇が荒らされたり、飼育している動物が喰い殺される。
家がペット・ショップの里美は他のクラスの飼育委員に声をかけ、野犬退治を提案。
ある夜、里美を含め六人の男女が学校に集まり、校内の見回りをする。
おかしなことに用務員の姿がなく、用務員室のテレビはつけっぱなし。
夜も更けたので、二グループに分かれて、もう一度見回りをして帰ることにするのだが…」
・「通りゃんせ」(1991年「おまコミミステリー」vol.5)
「いつも通りの学校生活…のはずだったが、渡辺純子は突如、違和感を覚える。
単なる勘違いかと思っていた時、彼女は階段脇の壁に奇妙なものを見つける。
それは小さな扉で、クラスメートによると、それは前からあったという。
翌日、クラスの男子生徒が一人いなくなる。
純子の記憶にはあるが、他のクラスメートは彼のことを全く覚えておらず、存在そのものが消えていた。
そして、壁のドアが少し大きくなる。
以来、毎日、クラスメートが一人消え、ドアが大きくなっていく。
ある時、彼女は友人がドアの向こうに行くのを目にし、ドアを開けようとするのだが…」
・「のっぽの古時計」(1991年「おまコミミステリー」vol.6)
「裕子・理恵・真弓は東京の高校に通う仲良し三人組。
11月29日、三人は校長室の掃除をする。
校長室には古いホールクロックがあり、三人は面倒臭がって時計のネジを巻かずに帰る。
その夜、三人は地震のような衝撃を感じ、気がつくと、校長室にいた。
しかも、時は「1944年11月23日」で、太平洋戦争の真っ最中。
憲兵に捕まるも、空襲のどさくさにまぎれて逃げたところを、幼い少女に匿われる。
少女は病気の母親と一緒に住んでおり、三人に貴重な食料を分けてくれる。
翌日、三人は11月24日が東京大空襲が始まった日であることに気付き…」
・「花いちもんめ」(1992年「おまコミミステリー」vol.10)
「T女子中学校。
坂田先生は女子生徒の憧れであったが、結婚することとなり、女子生徒たちは大ショック。
でも、坂田に自分たちの思い出だけでも残るようにと、園芸部の女子生徒たちは学校の温室にあった花や植物を使い、ケーキやお茶を作る。
坂田は喜ぶものの、次第に坂田も送った女子生徒たちも元気がなくなっていく。
園芸部で唯一、坂田に興味のなかった美智子は不審に思うのだが…」
・「かくれんぼ」(1992年「おまコミミステリー」vol.12)
「O市にある豊橋小学校が過疎化で廃校になるというので、二年三組の同窓会のお知らせが来る。
和香と光代は一年間だけそのクラスで過ごしたことがあり、参加を決める。
小学校には三人の少年が待っていて、それは和香と光代が転校する前に最後に遊んだメンバーであった。
彼らは校舎内に入り、それぞれ記念になるものを手に入れる。
そこへ村人がやって来て、まだ来てなかった少年が寺で死体で見つかったと知らせる。
寺に向かうと、彼は石造りの防火水槽に押し込まれて死んでいた。
更に、さっきまで一緒だった光代が寺の軒下で圧死体となって発見される。
彼らが戸惑っていると、寺のどこからか「もういいかい」という子供の声が聞こえてきて…」
副題に「こわい童謡のお話」とあるように、童謡と同じタイトルがつけられておりますが、内容的には童謡とあまり関係はありません。
出来が良いのは「通りゃんせ」と「花いちもんめ」でしょう。
最も怪奇色が強いのは「かくれんぼ」で強烈なグロ描写がありますが、惜しいことにラストが意味不明です。
それに眼鏡と茶髪の少年はどうなったんだよ?!
これさえきっちりしとけば佳作になったと思うのですが惜しい。
ちなみに、巻末に故・いのまたむつみ先生と橋本正枝先生が合作した応援イラストがあります。
あと、原作者の石神白夜(いしがみ・ナイト)さんはアニメーターの佐藤元さんで間違いないと思います。
日下部先生と石神白夜さんが知り合ったのはパソコン通信(もはや死語…)だそ〜な。
2026年3月17日 ページ作成・執筆