ささやななえ「ミノタウルス」(1992年7月17日発行)
収録作品
・「サラの遺言」(1980年「プチフラワー」秋の号掲載)
「カードとジョーカーはケチな泥棒野郎。
彼らはある屋敷に金貨が隠されているという情報を得る。
その屋敷は、サラという老婆の持ちものであった。
彼女は両親を早くに亡くし、妹と二人で暮らしていたが、婚約者が妹と駆け落ちをして、以後、屋敷に閉じこもって暮らしていたと言う。
二人は、宿にあぶれた旅行者のふりをして、屋敷を訪れる。
屋敷には、
サラの最後の恋人で、屋敷の相続者のエドウィン・キャッスル(未成年)、
サラの遺言書に関する件で、エドウィンともめている、家代々の弁護士、オードソン、
サラに長年仕えていた執事のリフラフ、
の三人がいた。
カードとジョーカーは、亡くなったサラの部屋をあてがわれる。
その夜、霊感体質のジョーカーは部屋で若い娘の亡霊を目にするのだが…」
・「ミノタウルス」(1982年「プチフラワー」3月〜9月号掲載)
「カードとジョーカーはケチな泥棒野郎。
スリで狙った相手は、弁護士のオードソンが雇った私立探偵で、彼が急死したため、二人は調査の続きを受け持つことになる。
その調査とは、ハートフォードという僻村で起こった殺人事件に関するものであった。
痴話喧嘩が原因かと思われたが、殺人現場の敷地内のロスター屋敷には昔からよくない噂があり、昔から子供が行方不明になったりしていた。
また、四年前にも、ロスター家の十歳の息子、エドワードが突然、家出して、そのまま、行方不明になっている。
カードはエドワードからの手紙を捏造して、二人はロスター屋敷へ潜入。
滞在する間、屋敷についていろいろと調べていくうちに、意外な事実が判明していく。
ジョーカーの前に現れる、角を生やし、仮面をかぶった人物の正体は…?」
カードとジョーカーのコンビを主人公に据えたシリーズ(他にもあるの?)で、非常に面白いです。
ユーモアをたっぷりたたえながらも、おちゃらけだけに終わらず、ミステリー・ホラーとして鉄壁の出来で、作者のポテンシャルの高さを感じます。(コメディとしても、なかなかいいです。)
十二分に皆様にお勧めできる内容です。
2018年5月17日 ページ作成・執筆