ジョージ秋山「灰になる少年 〜ジョージ秋山恐怖劇場」(1997年12月1日初版発行)

 収録作品

「灰になる少年」

・「フィッシュ・ラーゲ」(1983年「週刊漫画ゴラク」3月10日号〜12月8日号)
「無数の毒蛇のたむろする蛇淫孤島。
 ここはアシカ共和国の持ち物であり、日本人は立ち入ることができない。
 荘八とその娘の久留女はボートで島の周辺を回っていたところ、海面に幼女(の割には発育よし)が浮いているのを発見する。
 陸に連れて帰るが、幼女は記憶をなくしており、荘八は彼女を「フィッシュ」と命名する。
 久留女がフィッシュに島のことを思い出させようとすると、フィッシュはただ一言「怖い」と呟き、「怖い怪物」のイメージが頭に広がったと話す。
 その夜、荘八は再び蛇淫孤島に向かい、家には久留女とフィッシュの二人きり。
 その二人を、卑猥な造形の化け物と、無数のペニス型の蛇が襲う。
 二人は船で海へと逃げ出すのだが…。
 蛇淫孤島の秘密とは…?」

・吉森康「解説」
 「灰になる少年」について的確な指摘がなされております。
 が、「フィッシュ・ラーゲ」については一言も触れず。その気持はわかります。

 トラウマ・ホラーの歴史的名作「灰になる少年」と、「フィッシュ・ラーゲ」のカップリングです。
 ただ、私、ジョージ秋山先生の作品とは全くと言っていいほど、波長が合わず、大した解説はできません。
 興味のある方は是非自分の目で確かめてみてください。どちらの作品も見所はてんこ盛りです。
 特に、「フィッシュ・ラーゲ」は本当に意味がわからない!!
 鍋で煮詰めたような性的妄想を、成り行き任せに継ぎはぎした挙句、モンスター漫画へと突入してしまう経緯がさっぱり理解不能で、グーグルで調べてみたら、この作品、単行本で五巻もあり、どうも長編の一部を抜粋したもののようです。
 個人的な推測ですが、ジョージ秋山先生の怪奇マンガがあまりなかったため、「フィッシュ・ラーゲ」のホラー的な部分でお茶を濁したのではないでしょうか?

2018年8月31日 ページ作成・執筆
2023年5月14日 加筆訂正

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