好美のぼる「怪談どくだみ少女」(220円)



「信州の片田舎で実際に起こった話。
 ある村の朽ち果てた鎮守様の森の裏に、粗末な小屋が一件あった。
 小屋には「どくだみ婆さん」と呼ばれる老婆とその孫の少女(名前わからず)が住んでいた。
 二人は犬神族の生き残りで、村人達からは忌み嫌われる。
 老婆は少女に毎日、どくだみの花を集めさせる。
 そして、夜、少女に催眠術をかけ、どくだみの花を持って、外出をさせる。
 その花を布団に置かれた者は肉が溶け、村会議員と村長の娘が犠牲となる。
 少女は老婆が人殺しをすることを知り、どくだみの花を老婆の布団に置くのだが…。
 老婆が殺人を犯す理由とは…?
 そして、少女は、老婆の執念を止めることができるのであろうか…?」

 タイトルだけでは内容の見当が全くつかないと思いますが、大体、上記のような内容です。
 相変わらず「テキト〜」ですが、人体溶解描写はなかなか頑張っております。(自分の娘の生首を抱いて、発狂する母親の描写はちょっとトラウマ…。)
 ただ、後半が説教臭くなり、尻すぼみに終わるのが残念でした。
 個人的には、本編よりも巻末の読者コーナー「原やすみおいじめコーナー」が興味深かったです。
 好美のぼる先生の単行本、あまり読者コーナー、見た記憶がないのです。(単に、目にした作品が少ないだけの話でしょうが…。)
 読者からの厳しい意見はおどけたように受け止め、励ましには素直にハッスルする態度に、好美先生の生真面目さ、そして、温かさを感じます。

・備考
 ある親切な方から貴重な御本をお借りいたしました。本当にありがとうございます。借りたものですので、問い合わせをされましても、答えられないことが多いと思います。ご了承ください。

2022年7月16・17日 ページ作成・執筆

曙出版・文華書房・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る