左馬一平「ネズラ」(220円)



「遊星パトロールが通信衛星の修理を終え、帰還しようとした際、奇妙な流星が接近してくる。(「妖星ゴラス」の影響あり?)
 三郎と山田は急いで宇宙船に戻り、流星の流れから逃れようとするが、山田は命綱が切れて、宇宙空間に投げ出されていた。
 三郎が彼を助けに行くと、二人の近くにあったガスの渦より蛇のような怪獣が現れ、二人を丸呑みにする。
 隊長は仕方なく地球へと戻り、報告するも、誰も信じてはくれない。
 ただ一人、老博士のみがそれは「遊星怪獣ネズラ」かもしれないと話す。
 ネズラの正体は龍で、世界各国で目撃されているUFOはネズラがとぐろを巻いて回転して飛ぶ姿であった。
 龍と言っても、もともとは地球の動物で、生きていくためには酸素を必要とする。
 そこで、ネズラが呼吸のため、地球に接近した時に攻撃する手はずを整える。
 ちょうどその頃、キングコングの弟、ホワイト・キングが動物学研究資料としてアフリカから日本に運ばれつつあった。
 しかし、途中で麻酔が切れて、ホワイト・キングは逃走し、三浦半島に上陸する。
 本来はおとなしい性格だが、自衛隊の攻撃を受けて、ホワイト・キングは狂暴化。
 老博士たちが現場に駆け付けると、ホワイト・キングは彼に餌をくれた五郎(三郎の弟)にすっかり懐いてしまう。
 とりあえず、ホワイト・キングを満腹にさせ落ち着かせるが、その頃、地球にネズラが接近しつつあった…」

 最初にお詫びしなければならないのですが、私、特撮に関して知識がろくろくありません。(注1)
 そのため、怪獣漫画に関しては深い話はできません。
 とりあえず、言えることは左馬一平作品なので、ぶっちゃけ、大したことはないです。
 このタイトルと表紙で期待するかもしれませんが、ヘタして大枚はたくと後悔するかもしれません。
 ただ、空飛ぶ円盤の正体が龍という発想は面白いと思いました。
 しかも、これと自衛隊が対決するのかと思いきや、何故か、巨大なゴリラとのバトルになります。
 まあ、これは「キングコング対ゴジラ」(未見)の影響があるのかもしれません。(ちなみに、左馬一平先生には「シルヴァ・キング」 という作品があります。)
 ともあれ、龍とキングコングが戦う漫画はこれだけではないでしょうか?(注3)
 だからと言って、漫画の価値が上がるわけではありませんが…。

・注1
 以前も書いたかもしれませんが、私は「ウルトラマン」「ウルトラQ」「仮面ライダー」等、全く観たことがないです。
 映画に関しましては、「午前十時の映画祭」(注2)で「モスラ」「ラドン」「地球防衛軍」「妖星ゴラス」「海底軍艦」は観ましたが、その程度の知識では屁の突っ張りにもなりません。
 ですので、特撮ファンの方にいにしえの怪獣漫画をアツく論評していただければ…と思います。

・注2
 円谷英二の特撮映画を(名作でもないのに)ラインアップに入れるのは構わないが、だったら、同程度にホラー映画もリストに加えてほしい。
 邦画だと「東海道四谷怪談」「地獄(1960年)」「鬼婆」「怪談」「マタンゴ」「HOUSE」、洋画なら「吸血鬼ドラキュラ」「悪魔のいけにえ」「ゾンビ」「ローズマリーの赤ちゃん」「セブン」「顔のない眼」あたりをやってもいいんじゃないの?
 何か「差別」を感じる…。

・注3
 龍(ドラゴン)と戦っている人や怪獣はいろいろとおりますが、私にとっては、深見青山氏が最も印象深いです。
 この雄姿、ほれぼれとします。(褒めてますのでどうか怒らないでください。)

・備考
 パラフィン紙(?)剥がし痕あり。背表紙の上部あたり、破れ。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。経年のわりにきれいで、誰も借りなかった模様…。

2025年7月5日 ページ作成・執筆

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