鈴原研一郎/北沢しげる「リナは眠る」(220円/1966年頃?)
収録作品
・鈴原研一郎「リナは眠る」
「夏休みの間、ヒッチハイクをしながら、当てのない旅をする青年、奥沢哲也。
彼は、子供達から石を投げつけられる、サングラスをかけた、リナという娘を助ける。
その際、ボロを着た、白髪の老人に、リナは魔女だと告げられるが、明らかに老人は頭がおかしい。
リナの手当てをして、彼女の家へ送るが、そこは古めかしいが、豪勢な屋敷であった。
町の宿屋で断られ、哲也はリナの屋敷で一晩厄介になることとなる。
しかし、どうも妙なことばかり。
リナの両親の絵は「1880年」に描かれたものだし、お手伝いの老婆、志乃はリナの長年の親友だという。
サングラスの向こうの、リナの目に何やら秘密があるみたいだが…」
阿木二郎名義での「眠り館の少女」(宏文堂)のリメイクです。
・北沢しげる「消えた少女?」
「訪れた登山者は二度と戻らぬという噂のある、なきがら山。
枯木山であるが、時々燃えるような緑に色づく時があり、そんな時には登山者の精気を吸っていると、土地の人間は言う。
噂を確かめるため、新聞部の高校生、石川啓太は、なきがら山に赴く。
途中、啓太はルカという娘と出会う。
彼女は友人達と昆虫採集に来て、はぐれてしまったのであった。
ルカは啓太と行動を共にすることにして、一緒になきがら山に登る。
なきがら山は、岩と枯木だらけの、何の変哲のないはげ山であった。
しかし、いざ降りようとすると、奇怪なことに、同じところをぐるぐる回って、山から出られない。
日も暮れ、野宿をしようとすると、二人の前に、老人が現れて、小屋に来るように勧める。
二人が老人に付いていくと、石造りの家があった。
ルカはベッドで寝られることを喜ぶが、啓太はどうも不信感を拭えない。
そして、夜、なきがら山の秘密が明らかになる…」
怪奇色が濃く、どんでん返しもあり、なかなか面白いです。
これも一種の「人喰い植物」を扱ったものとみなしていいでしょう。
「悲願一千骨」というセリフがカッコいいと思います。
・備考
ビニールカバー貼り付け。カバー痛み。糸綴じあり。前後の遊び紙に貸本店のスタンプあり。p47、ページの上で手紙か何かを書いたようで、字の跡がうっすら。
2016年6月17・18日 ページ作成・執筆
2016年10月26日 加筆訂正