好美のぼる「雪女猫」(230円/1968年頃?)
「雪深き山村。
孤児となった美子は、親戚をたらい回しにされた挙句、叔父夫婦のもとを訪れる。
叔父夫婦は強欲で酷薄な人間であった。
美子の持ち金を取り上げただけでなく、叔父夫婦は美子を雪の降りしきる中、薪拾いに出す。
美子は雪山で迷い、遭難しかけたところを、雪女猫によって助けられる。
雪女猫は、自分はもう寿命があまりないため、子猫を成長するまで世話してくれるよう、美子に託す。
猫嫌いの叔父夫婦は、美子と子猫を追い出すが、子猫と雪女猫の協力を得て、美子は叔父夫婦の押し付ける難題を次々と解決。
しかし、欲の皮の突っ張った叔父夫婦は少しも満足せず、美子につらく当たる。
このままでは子猫が育ててもらえないと危惧した雪女猫は、美子に憑りつき、叔父夫婦にその行為の報いを受けさせる。
懲りない叔父夫婦はどうにかして雪女猫を亡きものにしようと企むが…。
雪女猫の正体とは…?」
ひどく泥臭い内容ですが、個人的に、メチャクチャいいと思います。
好美のぼる先生お得意(?)の、もろストレートな因果応報のストーリーで、筋が(混乱せずに)通っている分、勢いがあって、一気に読ませます。
悪人はベタな程、悪人で、後半、やっぱり、ベタな程、報いを受けまくる描写は、説教臭いというより、爽快ですらあります。
実は、民話的な作品の中に、好美のぼる先生の本領があるのではないか?と考えておりますが、より詳しい方の検証を待つばかりであります。
・備考
ビニールカバー貼り付け、また、それによる本体の歪み。糸綴じあり。p1と前の遊び紙の奥がひっついて、長細く剥げあり。pp30・31、下部のコマ内にページ同士がひっついてできた、小さな剥げあり。読み癖ひどし。p128の新刊案内のページに赤い数字のスタンプ押印。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付きと赤い数字のスタンプあり。
2016年12月13日 ページ作成・執筆