「オール怪談・21」(150円)



 収録作品

・いばら美喜「沼の主」
「山中を逃亡中の強盗犯。
 炭焼き小屋で暮らす、父と娘に出会う。
 父親の持っているダイヤの指輪に目をつけ、炭焼き小屋の近くにあった底なし沼に沈め、殺害。
 だが、娘に父親を殺したことを知られ、強盗犯は彼女も殺そうとするのだが…」
「オール怪談・84」に再録。

・太田康介「四角い穴」
「古代医学の研究をしている老教授により、生き返らされた元・警官の青年。
 彼は、教授から研究のため、靴磨きをしている少女を誘拐するよう言われる。
 が、少女は両親をなくし、遺産目当ての親戚から日々虐待を受けていたのだった。
 同じような境遇だった青年は、少女をいたぶる親戚をブチ殺す。  そこに部下だった警官が通りがかる…」
 児童虐待描写がやけにリアルで、下手な怪奇マンガよりこわいです。
 ちなみに、死体が生き返るのは、古代アンデスの頭蓋骨ある「四角い穴」のせいらしく、後頭部に鑿(のみ)で「四角い穴」を開けたら、OKだそうです。
 皆さんも機会があれば、是非お試しを!!
 ただし、衝撃にはくれぐれもご注意をくださいませ。

・多摩海人「呪い」
「夜中に電話で呼び出されたまま、少年の兄は消息を絶つ。
 その後、少年は、亡霊の出るという噂がある山中の無人家に、兄の手がかりを求めて、訪れる。
 少年の思惑通り、兄の亡霊が現れるが、彼は記憶喪失にかかっていた…」

・サツキ貫太「死翼」
「南北戦争後の西部。
 鉄道も通っていない小さな町に、子供の人形を抱えて回る、うらぶれた男がいた。
 彼は過去では、大金持ちの商人で、町に鉄道を敷設し、町を繁栄させようとしていたのだった。
 が、ある日、白骨化したガンマンが馬に乗って現れ、彼の運命は急変する…」
 西部劇を題材にした怪談っていうのは、かなり毛色が変わっております。
 話の破綻も少なく、きっちりまとまっておりますので、原作があったのかもしれません。

・備考
 糸綴じあり。1ページ目破れ。カバー下部折れ・破れ。

2014年7月12・14・15日 執筆・ページ作成
2018年5月23日 加筆訂正

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