「オール怪談・54」(1964年頃/200円)



 収録作品

・小島剛夕「仮面の女妖」
「豊臣氏滅びし後、江戸に戻った千姫。
 その千姫の館に入った美青年は次々と怪死を遂げ、千姫は鬼姫と噂される。
 亡き秀頼公が姫に接近する男を呪い殺しているのだろうか…?」

・吉田松美「黒い館」
「とある鉱山の飯場では、「黒い館」というのは禁句だった。
 鉱山の向こうの山奥に、その「黒い館」はあるのだが、誰一人として帰ってこないという。
 鉱夫暮らしに嫌気がさした新入り二人と、流れ流れて鉱夫となった武士の三人が「黒い館」を探して、旅立つ。
 その「黒い館」の正体とは…?」
 冒頭にホフマン「砂男」が引用され、「おおっ!!」と思わせます。
 が、それも束の間、内容は時代劇なのに西洋的な怪奇趣味がむりやり捻じ込まれ、ワケのわからないマンガとなっております。
 如何なる異種配合の末に、斯様なカオスなマンガが生まれたのか謎であります。

・いばら美喜「卑怯者」
「親の仇を探して、旅する武士。
 とある夜、砂浜で多数の忍者に若者が襲われているのを見て、助太刀する。
 若者の命を助けたものの、その後に現れた剣の使い手に殺されてしまう。
 武士が殺された若者の家に行くと、逆恨みの末、一族が命を狙われているという話。
 その家の長男が帰るまで家に滞在して欲しいと頼まれる。
 快く引き受けるが、そのために、武士は剣の使い手と戦わねばならなくなる…」

・備考
 状態、非常に悪し。綴じ糸あり。小口研磨。前の遊び紙、ほぼ欠損。pp1・2の下部、コマにかかる欠損。pp3・4に上部三分の一が切り取りかつ中部にコマにかかる欠損。pp7・8の中部のコマ切り取り。pp37・38、下部に破れあり。pp39・40、pp63・64中部にコマにかかる小欠損。最終ページがビニールカバーと張り付き。

2014年10月4・5日 ページ作成・執筆
2017年5月9日 加筆訂正・画像変更

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