「オール怪談・61」(1965年頃/220円)
収録作品
・小島剛夕「狐火提灯」
「海産物問屋の海老屋では夜に幾度も怪異が起こる。
狐火のように怪しい光を放つ提灯が宙を舞い、その後を花嫁姿の美しい女性の幽霊が送られていく。
そして、海老屋の主人の前に、死人の首にかける六銅銭が投げ出されているのだった。
海老屋の主人は、女性の幽霊が三年前、海老屋に店を乗っ取られ、結婚が破談になって自殺した女性であることに怯える。
真夏にも関わらず、家に閉じこもる海老屋の主人に友人達は両国の川開きに行き、花火を見物しようと誘う…」
推理ものの要素が入っております。
原作があるように思いますが、岡本綺堂「半七捕物帳」の中の一編でしょうか?
岡本綺堂は怪談の名品を幾つも物しておりますので、ありそうな話とは思います。
いつか読破したいのですが、なかなか時間が…。
・鹿野はるお「鴉に魅入られた男の話」
「小物を扱う商人の金平は、辻堂で手負いの鴉を見つけ、それを手当てする。
鴉も金平に懐き、仕事の帰りには餌をよって、可愛がっていた。
ある雨の日、辻堂の中で雨宿りをしていた金平の前に、黒い着物の、妖艶な女性が現われる。
金平は猛烈な睡魔に襲われ、その女性のもとで眠り込む。
その後、金平は辻堂の濡れ縁で発見され、家に運ばれるのであった。
このことがあってから、眠気が襲ってくるたびに、その女性が現われるようになるのだった…」
タイトル画像を見ていただければ、わかっていただけると思うのですが、女性キャラは頑張っているのです。
しかし、男のキャラの面がどうもビミョ〜…個人的には、クラウス・ノミを連想してしまいました。
この男のキャラがキリッとしているかと思ったら、ポンチ絵みたいになったり、オカマっぽくなったりで、イマイチ統一感がありません。
どう形容いたしましょうか?……緊張感を削がれるマンガであります。
その上、鴉に魅入られた主人公の「お黒ちゃ〜ん」というセリフが耳にこびりついて離れません…。
・さいとう・たかを「剣士孤独」
「宮本武蔵の弟子、滝田。
滝田は武者修行の中、師匠の宮本武蔵と再会、行動を共にする。
が、滝田は師匠の腕に疑問を抱き、自分の方が腕が上だと考え始める。
意を決して、滝田は武蔵に勝負を挑むのだった…」
恐らく「忍剣C」(ひばり書房)からの再録。(「まんだらけZENBU創刊号」p45)
表紙もさいとう・たかを先生なのでしょうか? そこまで見極める目がありませんので、あしからず。
・備考
状態悪し。ビニールカバー貼り付け。小口研磨により、少し小さくなっている。pp23・24(小島作品)、コマにかかる欠損。p42、上部に鉛筆による、計算の落書き。
平成26年11月30日・12月1日 ページ作成・執筆