「オール怪談・72」(1966年頃/220円)
収録作品
・小島剛夕「おぼろ小袖」
「抜け忍として、同じ忍者仲間から追われる鎌之助。
とある日、彼は飯代を持っていないために、袋叩きに遭っている、乞食の少女を目にする。
彼女を助けると、少女は鎌之助の後を付けて来る。
仕方なく同じ屋根の下で暮らすことになるが、少女は実は非常に美しかった。
そして、少女が母の形見として大事にしている小袖を纏う姿に鎌之助は魅了される…」
非常によくできた短編ですが、ラストの一ページでどん底に突き落とされます。
個人的には、これほどまでにサイテ〜な読後感はありませんでした…。(決して駄作ではありませんので、念のため。)
・福田三省「炎の権八」
「喧嘩っ早いので有名な、炎の権八。
彼は大店の娘、お駒を雲助から助けたことから、相思相愛の仲になる。
が、身分の違いから、権八は涙を飲んで、彼女と別れる。
お駒はある大身の腰元になるが、そこで権八に恥をかかされた旗本たちが権八を殺害する計画を耳にする。
これを権八に知らせようとしたお駒は、秘密を知ったと、斬られ、井戸に墜落。
その夜、自棄酒に潰れている権八の前に、お駒の姿が現われる…」
・岩井しげお「うたかた」
「仇を追い、旅を続ける兄弟。
仇を見つけたものの、兄は肺病に倒れ、余命いくばくもない。
弟では仇に勝てないので、兄は死ぬ直前に、自分の腕を弟に貸すと言って、息絶える。
そして、弟と仇が対決することになるが…」
・関すすむ「どんどろ幽霊」
「ある娘が墓場で絞殺され、顔を潰された状態で発見される。
その後、その娘の婚約者だった青年のもとに、寺に来るよう手紙が来る。
青年が寺に行くと、娘の幽霊が現われ、青年に殺されたと責める。
身に覚えのない青年だが、たたり殺すと言われ、びっくり仰天。
供養のために何でもすると言うと、幽霊は永代供養塔の費用のために千両を要求するのだった。
この幽霊の正体は…?」
・備考
ビニールカバー貼り付け。カバーに破れあり。糸綴じあり。全体的に目立つシミ多し(特に、小島作品と福田作品)。p9(小島作品)、ページ全体に鉛筆による、ぐるぐる落書きあり。pp21・22(小島作品)、かなりひどいシミあり。p117(関作品)、鉛筆による、ぐるぐる落書きが上部にあり。
平成26年12月14日 ページ作成・執筆