「オール怪談・73」(220円)
収録作品
・池川伸治「墓場からの手紙」(前編)
「花枝は姉の明子が夜、密かに出掛かるのに気付く。
そして、姉がどこか変わってしまったことも…。
しかし、姉は頑なに否定し、とりつく島もない。
ある夜、導かれるように墓地に歩いていく姉のあとを、花枝は愛犬を連れてつけるのだが…」
・小島剛夕「鬼女の城」
「主君を攻め、その城を落とした宗盛。
彼の目的は、主君の娘、蓉(よう)姫。
焼け落ちた城の地下室から、奇跡的に蓉姫は生き延びていた。
蓉姫を自分の城に連れ戻る宗盛。
だが、蓉姫の乳母であった、宗盛の母が顔の皮を剥がされ殺される。
そして、宗盛の前にも、醜い姿の物の怪が姿を現れ、次はお前だと告げる…」
楳図かずお先生張りの、怪奇マンガの逸品です。
小島剛夕先生に珍しく、グロに徹しておりまして、懐の深さを垣間見る思いであります。
・竹田きくお「回転」
「人に不幸を呼ぶと言うシガレットケースを手に入れた青年。
彼は世話になっている市長のところに行き、その話をしていると、チンピラ二人が押しかけてくる。
彼らは過去に市長と強盗を働き、二人は捕まってしまったが、逃げのびた市長はその金を元手に成功したのだった。
彼らにこれから強請られることになった市長は、青年に養子にする代わりに、彼らを始末するよう頼まれる。
青年は知恵をめぐらし、爆薬を仕込んだタバコで一人は片付けるが…」
・池川伸治「墓場からの手紙」(後編)
「花枝が墓地で見た青年はミイラのようで、決して生きている人間でなかった。
次の夜、明子は青年が家に訪ねてくるという。
母親と花枝が固唾を飲んで待っていると、青年が約束通り、やって来る…」
扉絵は「オール怪談・31」からの流用。
・備考
Y文庫仕様(カバーと表紙を外し、補強。また、本体を厚紙で覆い、その表紙に作品名を記入。)
2014年12月15日 ページ作成・執筆
2017年10月18日 加筆訂正