「オール怪談・77」(1967年4月頃?/220円)
収録作品
・浜慎二「呪いのKO(ノックアウト)」
「ボクシングの新人王を目の前にして、勢いに乗っている青年。
しかし、無免許で運転した車で老人を轢き逃げしてしまう。
その夜、青年が寝ている間に、老人の顔が青年の胸元にとり付き、機会あるごとに青年から血を奪っていくのだった…」
・小島剛夕「業火の島」
「父母の仇の海賊を探して、航海をする多四郎。
その船が嵐に遭って、難破して、多四郎が流れ着いたのは、宿敵の海賊の住む赤目島であった。
海賊の首領の娘、阿久里(あぐり)の懇願で命拾いした多四郎は、彼女と結婚するか、それとも、復讐を選ぶかどうかで心が揺れる。
赤目島にある山の頂には、難破船の残骸があり、そこの竜神の目が赤くなると、島が沈むという言い伝えがあった。
父母の仇をとるという苦渋の決断をした多四郎は、阿久里に竜神の目が赤くなければ結婚はできぬと告げる。
が、阿久里は竜神に自分達が滅んでもいいから、目が赤くなるよう必死に祈るのだった。
阿久里の一途な想いに心を打たれた多四郎は、復讐を捨て、彼女を選ぶ。
そして、夜、こっそりと竜神の目を赤く塗るのだった…」
「怪談別冊H」(つばめ出版)からの再録です。
画像もそちらのページで御覧になってくださいませ。
・小沢おさむ「怪獣グモラ」
「怪獣グモラが暴れる話…ただそれだけ。」
画像を見て、「面白そう!!」と目を輝かす人がいるかもしれません。
が、正直申しますと、(こういう風に断定してしまうのは非常に心苦しいのですが)「つまらない」です!!
ストーリーがぺらぺらの薄っぺらさ。怪獣の暴れっぷりも大したことはありません。
当時、ひばり書房は「オリジナル大怪獣シリーズ」というものを出しておりまして、それを受けて、描かれたものでしょうが、30ページという制約がネックだったようです。
例えば、「30ページで『ゴジラ』を描け!!」と言われても、ストーリーの要約しか出来ないと思います。
結局、短編で扱うには、無理のあるテーマでったということでしょう…。
とりあえず、この作品中、一番面白いと思われるグモラの図解を味わってくださいませ。
・備考
状態悪し。カバー欠。糸綴じあり。小口に書店スタンプ。本の下部全体に歪み。pp46・47の間に食べ物か何か挟まっている。pp72・73の間に何かが挟まり、pp73の小島作品に小破れ、またp72にシミ多し。
平成26年10月13・15日 ページ作成・執筆