松下哲也「青ネズミ作戦」(230円)
「8ミリカメラを武器にして、悪い奴らを懲らしめるついでに、金も手に入れる四人組。
ボスの眼鬼、紅一点の音芽、ブレインの白飛、三枚目の呂井戸。
ある土砂降りの夜、彼らの車の前に、異様な男が飛び出してくる。
ひらりと跳んで、車を避けた、その男が持っている、カバンには、唸るほどの札束が入っていた。
眼鬼は白飛にその男の後をつけさせるが、男はあるトーチカの中に入り、カバンと共に消息を絶ってしまう。
そのトーチカの中には、赤貧に喘ぐ、若い画家が住んでいたが、どう見ても、金を持っている気配はない。
四人組は画家を見張るが、もう一人、刑事も彼に目をつけていた。
一人暮らしの老婆が殺害され、その容疑者とみなされていたのである。
四人組は画家の住居にこっそり小型のカメラを仕掛ける。
そのカメラのフィルムに写っていたものは…」
貸本時代末期に「8ミリマンシリーズ」として描かれた一冊です。
大人向けの内容にシフトしようと努力しておりますが、どこか無理をしている印象があります。
この作品も全体的にぎこちなく、今現在から見たら「洗練」には程遠いかもしれません。
まあ、それは仕方ないとしても、このマンガ、ラストが釈然としないのがイタいのです。
救いのない内容を多少なりともマシにしようと、松下哲也先生は考えたのかもしれませんが、それで作品全体をブチ壊すというのは本末転倒なのでは…?
読後に残るのは、むやみやたらに挿入された、薄汚いドブネズミの描写ばかりなのであります。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。前の遊び紙、セロテープの痕、多数。後ろの遊び紙、貸出票貼り付け。
2016年2月2日 ページ作成・執筆