小沢おさむ「猫目の少女」(220円)
「巨大なお屋敷に、婆やと二人きりで住む少女、千秋。
千秋は、チコという、昔から屋敷にいる猫を異常な程可愛がっていた。
ある日、少女のもとに叔母を名乗る女性が訪ねてくる。
だが、この女性は本当の叔母ではなく、悪徳弁護士の津山と組み、少女の財産を狙っていた。
女性は、千秋を夢遊病と思い込ませてから、耳に針を刺して殺害、その後で庭のプールに死体を投げ込んでおく、という計画を立てる。
事は思い通りに進み、彼女は殺害を決行。
ところが、翌朝、千秋は何事もなかったように生きており、プールには千秋の飼い猫、チコの死体が浮いていた。
更に不思議なことに、千秋の眼の色は、チコと同じ青い眼に変わっていた。
女性は訝るものの、津山に促され、再度、千秋の殺害を目論む。
しかし、女性の前に、猫少女と化した千秋が現れる。
猫少女の復讐や如何に…?」
骨の髄まで「へっぽこ」なマンガです。
ただ、ここまで「へっぽこ」だと逆に新鮮に感じられるのではないでしょうか?
まず、作品に「説得力」「迫力」というものが微塵も存在しておりません。
スッカスカな絵柄で素人演劇のような描写が延々と繰り広げられ、これが映画だったら、途中で絶対に寝ております。
肝心の「猫少女」がご覧の有様(上右の画像を参照のこと)ですので、内容は推して知るべしです。(ちなみに、猫はほとんど「いたち」です。)
ですが、この空虚な雰囲気にどことなく惹かれてしまうんですよね〜。
猫女に襲われて、ちょこっと噛まれただけで、ドタッと死んでしまう描写等、このマンガでしか見られないものかもしれません。
個人的なお気に入りは、猫少女に操られた女性が津山弁護士を襲う描写です。あまりに「へっぽこ」過ぎて、感じ入ります。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。小口に抉れあり。全体的に目立つシミ多し。p11、コマ内にひどい汚れあり。後ろの遊び紙、貸出票の剥がし痕あり。
2017年3月10日 ページ作成・執筆