古賀しんさく「蜘蛛の巣」(150円)



「黒山源造は、田舎の小さな火葬場で働く男やもめ。
 彼は幼い息子と一緒に、おじ夫婦のもとに身を寄せ、まじめに働いていた。
 そんな寂しい身の上の彼に友人ができる。
 それは、寸詰まりの背丈に、醜い容貌のくも男で、いつも夜中の二時頃に彼を訪ねてくる。
 ある夜、おじ夫婦が大金を持っていることを源造が知ると、くも男がおじ夫婦を殺すように唆す。
 源造は躊躇するものの、くも男には逆らえず、結局、おじは発狂し、毒を飲まされたおばは生きながら火葬されてしまう。
 大金を手に入れ、源造は一軒家を手に入れるが、おばの怨霊につきまとわれ、不審火で家は全焼。
 呪いにおびえる源造にくも男は、呪いを他の者に向けるように提案する。
 しかし、くも男が身代わりに選んだのが、彼の息子であった…」
 黒枠単行本「吸血くも男」にて再録されております。(貸本との差異は、そちらのページを参考にしてください。)
 古賀新一版「ルーシーがいるから」(ロバート・ブロック)なのでありましょうか?
 当時としてはかなりショッキングな内容だったように思います。
 古典的名作と言えるでしょう。

 後に「たたり」と改題されて再刊されております。計6ページ、削除されており、残念…。

・備考
 カバー貼り付け、かつ、ビニールカバーの剥がし痕あり。糸綴じあり。前の遊び紙に「蜘蛛の巣」と書き込み。読み癖があり、全体的に裂けが多い。pp61・62、中央部分に穴の欠損あり。pp93・94、上隅にコマにかかる欠損。pp95・96、中央部分にコマにかかる欠損。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2020年10月19日 ページ作成・執筆
2024年4月10日 加筆訂正

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