さがみゆき「はとの目に妖女の瞳」(230円)
「智子とみどりの姉妹は、智子の婚約者である春樹の別荘に滞在する。
ある嵐の夜、姉の智子は、窓を破って入り込んだ鳩に襲われる。
みどりは鳩を殺そうとするが、姉は鳩を逃がすよう諭す。
だが、この出来事があってから、二人の身辺で、その鳩の姿がちらつくようになる。
また、みどりは別荘で奇怪な出来事を幾度も体験する。
クローゼットで発見した、血にまみれたウェディング・ドレス。
地下室にひっそりと飼われている鳩と、そこに安置されている、若い女性の死体。
智子が再び鳩に襲われたことから、みどりは春樹の秘密を知る。
その秘密とは、春樹とは血のつながらない妹、あや子に関するものであった。
あや子と春樹は将来結婚を決められていた仲であったが、あや子を妹としか見れない春樹は、東京で智子を見染め、婚約。
恋に破れた、あや子は、ウェディング・ドレスを身にまとって、自殺したのである。
そして、智子を襲う鳩は、あや子のペットであった。
あや子の母親の制止を振り切り、春樹は鳩を射殺しようとするのだが…」
「鳥(特に、カラス)が人を襲う」という、よくあるストーリーの中で、「鳩が人を襲う」というのはちょっぴり変わり種かもしれません。
ですが、「鳩」と言えば、一般的には「ピース」なイメージ。
マンガの中では「この土地でははとは地獄の使者」(p97)とされ、「鳩に突き殺された死体」の描写もあるものの、説得力不足は否めません。
ぶっちゃけ、鳩一匹に殺されるほど、人間はヤワではありませんよ。
しかし、鳩も集団だと怖いです。
昔、冬の公園のベンチでパンを食べていたら、鳩が周りに集まってきて、ずっとこちらの様子を窺っておりました。
テキトーにパン屑をやったのが災いしたのか、奴らは数を増やし、こちらへの包囲網をじりじりと狭めてきたのです。
ふと一羽が私に飛びかかって来たかと思うと、一瞬で、片耳にはめていた耳栓を引っこ抜きました。
本能的にヤバいと思い、パン屑を幾つか撒いて、気を逸らした隙に、公園から逃げ出したのであります。
この体験をして以来、鳩に対して「ピース」なイメージを持っておりません。(もう二度と餌なんかやらん!!)
そんなトラウマがあったりしますが、さすがに、このマンガは怖くはありませんでした。
・備考
ビニールカバー貼り付け、それによる本体の歪み。糸綴じあり。前の遊び紙、p5の上部に貼り付き。後ろの遊び紙にボールペンによる書き込みあり。
2017年6月25日 ページ作成・執筆