関すすむ「青い炎をはく少女」(220円)



「いずみは、二子四(にこよん)ダムを見学した後の昼休み、河原で卵のような石を見つける。
 好奇心から家に持ち帰って数日後、その卵からはスコロザウルスという恐竜が産まれる。
 父親は生物学者で、成長を止める装置を使い、この恐竜を研究する。
 しかし、ある夜、何故か恐竜が檻から逃走、父親を襲う。
 幸い腕を噛まれただけで済み、父親は恐竜を高電圧で殺処分する。
 ところが、噛まれたのが原因か、父親は恐竜化していく。
 機に乗じて、父親の財産を狙っていた母親は、恐竜と化した父親を始末しようとする…」

 「怪獣」マンガ(注1)なのでありますが、怪獣化していく恐怖を描いているのが、ちょっぴり斬新かもしれません。
 ただし、関すすむ先生ですから、凄まじく「テキト〜」です。
 タイトルは「青い炎をはく少女」となっておりますが、最初の方で、いずみの姉、ひかるが恐竜の炎に中(あ)てられて、ちょっとの間、炎を吐く症状になるだけです。(と説明しても、どれだけ理解していただけるか不明です。)
 もっぱら青い炎を吐いているのは、いずみとひかるの父親なのです。
 でも、「青い炎をはくオヤジ」のタイトルでは、怪し過ぎて、誰も借りてくれそうにありませんね。

 まあ、「テキト〜」な内容でも、多少なりとも見るべきところはあります。
 個人的には、恐竜化していく父親が家族に悟られないよう、指の間の水かきを鋏で切り取ったり、歯をヤスリで削るシーン(注2)。
 それと、ハート柄のカーテンの間から姿を現した、恐竜化した父親に、、母親が情け容赦なく銃弾を撃ち込むシーンでしょうか。


 私は特撮に対して興味を持たない人間ですので、「怪獣」を愛する諸氏に読後の感想を聞いてみたいところであります。

・注1
 関すすむ先生は、ひばり書房から出版されていた「大怪獣シリーズ」を四冊も描いております。
 どれも高値でありますが、読んだ限りでは、値段と内容は釣り合っていないように思います。
 ちなみに、「大怪獣シリーズ」では、古賀新一先生が「人間怪獣トラコゴン」という作品を描いておられます。
 「人間怪獣」って何よ?!とメチャクチャ気になりますが、これは高い!! ほんまに高い!!(復刻してくだされ〜。)

・注2
 昔、懐かしキョンシー・ブームの火付け役「霊幻道士」にて、キョンシー化したリッキー・ホイが犬歯をヤスリで削られるシーンがあり、何か痛そうだったという記憶があります。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。遊び紙とp1に貸本店のスタンプあり。読み癖あり。小切れやシミ多し。pp9〜11、p15、p94に鉛筆による落書きあり。巻末にボールペンによる書き込みあり。

2016年7月11日 執筆・ページ作成

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