松下哲也「怪談花馬車の乙女」(1966年末頃/220円)
「秋を迎えた北海道、中秋、十五夜。
喬の住む屋敷の前に、馬車が停まり、一人の乙女が宿を請う。
喬が応対に出ると、乙女は突如倒れ伏してしまう。
喬は乙女を家に運び入れるが、乙女を乗せてきたはずの馬車は影も形もなかった。
乙女は一週間かかって回復したものの、記憶喪失にかかったらしく、名前さえわからない。
乙女はそのまま小間使いとして、喬の屋敷に住み込む。
が、毎夜、月を見ては、涙する乙女を、喬の弟は「かぐや姫」みたいと呼び、喬はこのミステリアスな乙女に想いを寄せる。
一方、喬の住む町に、「馬車に乗った女」を捜す男が訪れていた。
乙女の正体は…?」
白状しますと、よくわからない話です。一応のストーリーは整ってはいますが、釈然としないところがちらほら…。
残念ながら、この作品は失敗作だと思います。
やはり、後記にあるように、寒かったせいでしょうか?(松下哲也先生は冬が大の苦手だそうです。)
・備考
I文庫仕様(カバー裏に新聞紙等による補修。表紙を本体から取り外し、本体を何らかの厚紙で覆っている)。背表紙色褪せ。糸綴じあり。pp36〜47、目立つシミあり。
平成27年8月19日 ページ作成・執筆