古賀しんさく「狂犬狩り」(220円)
「世の中、平和で、暇を持て余している、私立探偵、二ノ宮新吾。
彼は、給料を払えない代わりに、秘書の加奈と助手の芳男の三人で、無銭旅行を計画。
その方法とは、加奈に荷台付きのトラックを借りてもらい、荷台の檻にゴリラの着ぐるみを着た新吾と芳男が入るというもの。
ゴリラの二人は行く先々で注目を浴び、餌をもらい放題。
だが、途中、芳男が誘拐されてしまい、見知らぬ男から五百万円の身代金を要求される。
新吾達は東京の板橋に住む、芳男のおじを訪ねる。
実は、芳男のおじは新門会という暴力団のボスであった。
芳男のおじは身代金を出す代わりに、期限までに返却できなければ、真吾の命をもらうという条件を突き付ける。
金を手に入れた新吾は、すったもんだの末、芳男を助け出す。
しかし、首謀者の名を聞き出す前に、誘拐犯達は何者かに殺されてしまう。
また、芳男が身代金と共にまたもや行方不明となり、新吾はピンチに陥る…」
古賀新一先生の貸本時代のヒット・シリーズ「二ノ宮新吾シリーズ」ですが、怪奇マンガではなく、一応は「ハードボイルド」(ハードボイルドじゃないけど)です。
とは言え、古賀新一先生の作品について語る時に外せないと考えましたので、手持ちのものを紹介することにしました。
内容は、非常にユルく、御都合主義の塊と言って差し支えないです。
ですが、この独特の「ユーモア感覚」だけは他の作家の真似できるものでなく、不思議な味わいがあります。
この「ユーモア感覚」は古賀新一先生の作品を読み解く鍵の一つではないかと思っているのですが、いまだ考えがまとまっていません。
意外と、「古賀ワールド」はディープですよ。
巻末の読者のイラストコーナーに「川辺フジオ」先生の投稿あり。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付けあり。
2018年1月18日 ページ作成・執筆