松下哲也「怪談まわり灯篭」(220円)
「関ヶ原。
許婚の千也子(ちやこ)と蛍狩りに興じている時、修一は可憐な乙女、小夜合(さより)と出会う。
互いに惹かれ合うものを感じ、次の夜、二人は再会、小夜谷
は修一に夜店で買った灯篭をあげる。
が、その夜以来、修一は小夜谷の前から姿を消す。
婆やの勧めもあり、小夜谷はお百度を踏むが、一方で病弱な小夜谷の財産を狙う叔父夫婦の陰謀が進行していた。
婆やは叔父夫婦が小夜谷に飲まそうとした毒薬のせいで死に、一人ぼっちになった小夜谷は死んで修一に会おうとする。
偽りの電話で叔父夫婦を呼び出したものの、逆に小夜谷は刺殺されてしまう。
その時、父親の仕事のために新潟に行っていた修一の前に小夜谷が現れる…」
個人的に、傑作と思います。
かつ、私には思い出深い作品でありまして、私が貸本怪奇マンガの底なし沼に引きずり込まれる原因となった作品であります。
数年前の話となりますが、○○オクで「500円」でこれを落札してからが、「大転落」の始まりなのでありました。
(後悔していない…つもりですが、これが契機でこのサイトを公開しているわけで、結局、運命ってこんなものなんじゃないでしょうか?)
絵としては、このあたりの作品が一番好きです。松下哲也先生の個性と、三田京子先生の個性がいい塩梅で発揮されてると思います。
主人公も「自縛霊となって、恋人を誤って刺殺してしまう少女」という、空前絶後なものです。
復刻しろとまでは言いませんが、再評価をしていただきたい作品であります。
備考
状態悪し。ビニールカバー貼り付け。pp27・28、落丁。
平成27年8月5日 ページ作成・執筆