小沢おさむ「瓶の中のはらわた」(220円)
「かげろう館。
館の女主人は四十歳ぐらいの女性で、長い間、自分の娘を探し続けていた。
探偵を使って、娘の行方を探させていたが、成果は上がらない。
また、探偵達はその館に泊まったが最後、皆、消息を絶つ。
ある時、女主人は冴子という記憶喪失の少女を引き取る。
だが、冴子は夜間に怪獣に変身しては、外出し、人を食い殺していく。
また、館に住む女性も怪獣化しては、館に泊まる人を食い殺し、その内臓をガラス容器に納めていた。(人がいない時は、生きた蛇を丸かじり。)
かげろう館には怪物が出るという噂が立ち、警察はかげろう館をマークするのだが…。
怪獣へと変貌する二人の正体とは…?」
ひばり書房の貸本怪奇マンガの中でもことインパクトに関してはトップクラスに位置するタイトル「瓶の中のはらわた」!!
興味津々な方も多いとは思いますが、断言します、「駄作」です!!
ここまでヒドいマンガもなかなかお目にかかれないという意味で貴重かもしれないものの、大枚はたいて入手するほどのブツではないです。(と言われても、欲しい…その気持ちは痛いほど、わかります。)
まず、ストーリーも構成もメチャクチャです。
特に、構成に難あり過ぎで、しょっちゅう過去や現在にめまぐるしく行き来するため、ただでさえ支離滅裂なストーリーの把握を更に困難にします。
ストーリーに関しては、一応は「S・F怪奇」です。
残念なことに、貸本マンガでSFを扱った作品の中でも最底辺に位置します。これに較べたら、関すすむ先生の「鏡の中に吸血鬼」の方が遥かにマシなレベルです。
第一、タイトルの「瓶の中のはらわた」に関する説明が皆無という時点で、どれだけグダグダかおわかりいただけると思います。
もちろん、ラストも意味不明です。
と、あらゆる面でサイテ〜なのですが、「ゲテモノ度」に関してのみ、他の追随を許しません。稀に見るゲテモノぶりです。
これでグロ描写を頑張ってくれれば、まだ弁護のしようがあったのですが、画像で一目瞭然な通り、画力が欠如しているため、「へっぽこ」です。
結局は、タイトル負けしている作品だと思います。
でも、「瓶の中のはらわた」のタイトルが怪奇マンガ・フリークの無限の妄想力を刺激してやまない…そんなマンガです。
・備考
ビニールカバー貼り付け。糸綴じあり。水濡れ痕あり。前の遊び紙に蔵書印が押されており、p1に若干、インクが付いている。後ろの遊び紙、貸出票の剥がし痕あり。
2018年8月18日 ページ作成・執筆